共通テスト国語の対策は?8割取るための勉強法や現代文・古典の傾向まで徹底解説
「共通テストの国語は何を勉強したらよいの?」
「共通テストの国語で本当に8割取れるの?」
などと、悩んでいる高校生もいるでしょう。
また、そもそも「試験時間など共通テスト国語について詳しく知っておきたい」という方もいるでしょう。
今回は、共通テスト国語の対策について、8割取るための勉強法や現代文・古典の傾向まで徹底解説していきます。
この記事をご覧になれば、共通テスト国語の特徴や対策の仕方、8割取るための勉強法などがよくわかるはずです。
共通テスト国語についてざっくり説明すると
- 共通テスト国語はセンター試験といくつか違いがある
- 勉強対策をしっかりすれば8割取れる
- 現代文・古典それぞれの勉強法がある
- 勉強計画の立て方にはおすすめの順番がある
共通テスト国語とは
最初に共通テストの国語とはどのような試験なのかを説明しておきましょう。
共通テスト国語の概要
「共通テスト国語」は、センター試験に代わって導入される共通テストの国語です。共通テストは、センター試験と同様に大学受験生の学力を測るテストで2021年から実施されます。
試験内容は現代文が論理的文章(評論)と文学的文章(小説)、それに古典の漢文・古文、あわせて大問4題です。試験時間は80分です。配点は現代文・古典各100点、計200点です。
共通テストは、現代文はもちろん古典を含む幅広い文章を読みこなす力が必要で、センター試験よりも「読解力・精読力」を問われます。また、1つの問題で2つ以上の文書が出る可能性も高く、速読力が必要になります。
センター試験との違い
共通テストとセンター試験の違いは、試験内容では「複数テキスト」と「資料を利用した問題」が出題される可能性が高いことが大きな違いです。
一方、試験時間は変わりありません。また難易度は上がると見込まれています。導入予定であった記述問題は当面見送りになっています。
共通テストとセンター試験の違いの詳細を、以下でご説明します。
複数テキスト
センター試験では大問1つに文章1つという形が基本でしたが、共通テストでは1つの大問で複数の文章を読む可能性が高いです。
大学入試センターの2021年度の問題作成方針にも「異なる種類や分野の文章などを組み合わせた複数の題材による問題」を検討する旨が示されています。
つまり、共通テストでは、センター試験と同じ80分の制限時間で、より多くの文章を読む必要があります。要は、速読力が必要ということです。
資料を利用した問題
共通テストでは、資料を利用して解答を導き出す問題が出る可能性も高いです。一般的な読み物のような文書でなく、法律の条文やグラフなど、文章以外の資料を使った問題が出る可能性があります。
おそらく未経験の出題形式でしょうから、普段から資料を比較して正確に読み取ることや、資料のポイントを要領よく簡潔にまとめることを意識して練習をしておく必要があります。
制限時間は同じ
繰り返しますが、共通テストの試験時間は80分で、センター試験と同じ制限時間になっています。
一方で、試行調査の試験内容を見ると、共通テスト国語の試験はセンター試験よりも多くの文章を読まなければならない可能性が高いです。
つまり、試験時間は変わらずに文章量が多くなるので、結果としてより早いスピードで問題を読んで理解し、解答を導き出す必要があります。
共通テスト国語の難易度は?
結論から言うと、共通テスト国語の難易度は、センター試験よりも高いと考えておいた方がよいです。
試験問題のレベル自体はセンター試験と大きく違わないでしょうが、出題形式が変わり構成が複雑になることの影響があるからです。
「複文テキストからの出題」や、センター試験よりも「読むべき文書量が増えても制限時間は同じ」といった点に加え、実績・経験のない初めての試験ですので、読み解く力や本番での対応力がより大きく求められるでしょう。
記述式試験は導入される?
共通テストでは記述式試験の導入が検討されていましたが、初年度の2021年度からの導入は見送られました。記述式問題をきちんと評価できる採点者を確保できないこと、採点の公平性を担保し難いことなどの問題があったからです。
しかし、記述式試験を導入しようという議論は残っており、導入にあったての問題点がクリアーされれば、いずれ導入される可能性が高いと言えます。
共通テスト国語の勉強対策は?
これまで説明してきたように、共通テスト国語とセンター試験国語では、いくつかの点で違いがあります。ただ、「国語ができるように」という視点・目的においては、共通テスト国語もセンター試験も違いはありません。
つまり、共通テストであれ、センター試験であれ、国語の勉強方法の基本は変わりないということです。ただ、いくつか注意すべき点がありますので、勉強対策を具体的に見ていきましょう。
複数テキストに慣れよう
まず、共通テストで予想されている「複数テキスト」の出題に慣れることです。複数テキストの問題は、1つの文章に2種類以上の文章が出てきますので、読み慣れていないと戸惑います。
ですから、意識して多くの文章を読むようにして複数テキストに慣れておきましょう。例えば、資料の解説がある新聞などを読むことです。大事なことは図・写真・グラフなどの資料と本文の関連箇所を結び付け、その意味を考えながら読むことです。
常日頃からそのような習慣をつけるように努力することをおすすめします。
速読ができるようにしよう
また、文章量の多い問題を読みこなすために速読の習慣を身に付けておくことも大事です。速読できれば、決められた時間内に余裕を持って問題を解けます。
具体的には、解答を考える時間が増え、さらに全体の見直しをする時間も十分とれるでしょう。単に早く答えるだけでなく、正解を出す可能性がより高まるということです。
速読のポイントは、1度読むだけで確実に内容を理解することです。常に「1度で文章の内容を読み取る!」と強く意識しましょう。そうすれば、隅々まで正確に理解できるようになります。何度も読み返す時間をカットできます。
模範解答と照らし合わせよう
模範解答と自分の解答の解き方の違いを確認することも大事です。問題の解答は、決して自分の考えを述べるものではありません。常に筆者の言わんとすること・主張のポイントを読み取り、それをそのまま答えることです。
そこで役に立つのが参考書の模範解答です。模範解答は、主観や独自の意見を持ち込まず、ひたすら筆者の主張に沿った客観的な答えに導く理想的な回答になっています。
自分の解答が模範解答のプロセスを真似できているか照らし合わせてチェックしましょう。繰り返しますが、自分の意見・主張は関係ありません。共通テスト専用の参考書を使って勉強するのが効果的です。ぜひ活用しましょう。
読解力をあげよう
現代文の成績をあげたいのであれば、評論でも小説でも、一般的な漢字の知識だけでなく、文章に出てくる専門用語の知識をある程度身に付けておくことが必要です。
専門用語が分からなければ文章の意味を正しく理解することは難しいでしょう。一方で、語彙力を高めておけば、たとえ専門的な文書であってもスムーズに読み進めることができる可能性が高まります。
現代文のキーワードが載っている単語帳や自分用の古文・漢文の単語帳などを使って、すき間時間を見つけて語彙力を増やす努力をしておくことが大事です。
評論文・小説を読んで論理的思考力UP
日頃から評論文・小説を読んで文章に慣れること、そしてできるだけ多くの問題を解くなどして論理的な思考力を鍛えることも大事です。文章は読めば読むほど分からない言葉を知る機会が増え、語彙力も高まります。
また小説を読めば、小説が扱っている時代の背景を詳しく知ることができるのもメリットです。小説問題を読み解くときに、小説に書かれている時代の背景を知っていれば内容を理解する上で大きな手助けになります。
普段から小説を数多く読んでいれば、それだけ多くの時代背景について予備知識を得ることができるので、おすすめです。
目指せ8割!共通テスト国語の勉強法(現代文編)
ここでは、共通テストで8割をとることを目標にした、共通テスト国語現代文の勉強法を具体的に紹介していきます。
評論は一文一文を正確に理解しよう
評論は文章構造をしっかりと把握して、一文一文を正確に理解しながら読むようにしましょう。文章構造を正確に把握できれば、文章が読みやすくなります。そうなれば、文章を読み進めながら、筆者の主張やその理由・具体例なども手に取るように分かるはずです。
また、文章が読みやすくなると、スムーズに問題の解答を導き出すこともできます。筆者は「この文章で何が言いたかった?」というような疑問がわくこともなくなるでしょう。
じっくり読めば時間をとられると思うかもしれませんが、文章を何度も読み返す必要がなくなり、かえって時間の余裕も生まれます。慌てることなく、落ち着いて問題に向き合えることでしょう。
評論は本文や資料から解答の根拠となる部分を探そう
評論問題の解答の素材は本文や資料の中に必ずあります。本文や資料をよく読んで解答の根拠となる部分を見つけましょう。その場合、文章に書かれていることをそのまま理解することが大切です。
解答も必ず筆者の主張に基づき、それをそのまま解答する必要があります。筆者の主張と関係がない自分の主観や主張は一切持ち込んではいけません。要は、筆者が文章で伝えたいことを正確に読み取り、それを答えるだけです。
答の根拠は必ずと言ってよいほど問われます。その部分を正確につかむためなら、多少時間を要しても構いません。逆に設問に関係なさそうな部分はサッと読むなど、緩急をつけて読みましょう。そうすれば解答時間をスピードアップできます。
評論は接続詞に注意
評論を読むときのポイントは、接続詞に注意して読むことです。現代文はちょっとしたことを意識するだけで、スムーズに内容をつかめる場合があります。
例えば、「しかし」などの逆説の接続詞は、その後に筆者の主張が述べられることが多いです。また「すなわち」などの言い換えの接続詞があれば、段落の要点や筆者の意見がその後すぐにまとめられている可能性が高いです。
このように接続詞に注意して文章を読めば、文章の流れや主張のポイントがすぐ分かります。効率良く文章を読み進めることができますので、ぜひ覚えておきましょう。
小説は幅広い文書に慣れよう
「小説」の問題は、幅広いジャンルの文書に慣れておくことが大切です。共通テスト国語の試験では、小説の分野として随筆や詩など様々なスタイルの文章が出される可能性があります。
例えば、随筆は感情的な文書も多いですが、その中から、筆者が読者に伝えたいテーマは何かを意識しながら読むようにしましょう。
また、詩の場合は、「擬人法」「体言止め」などの修辞が用いられていることが多いので、そのような語法をしっかり押さえておくことが大事です。
小説は感情移入しないで根拠を探そう
小説を読むときのポイントは、感情移入をしないで、解答の根拠を探すことです。小説は人間がテーマで語られますので、自分が登場人物になったつもりで文章を読んでしまう人も多いでしょう。
しかし、小説も評論と同じです。本文中に問題の解答とその根拠となる部分が必ずあります。
ですから、小説を試験問題として読むときは、自分の感情・主観はすべて横に置いて、問題文の中から解答の根拠となる部分を探すことが必須です。
多くの高校生が悩む現代文の勉強において取り組むべきことや参考書選びについて、知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
共通テスト国語の勉強法(古典編)
ここでは、共通テスト国語の古典の勉強法を具体的に紹介していきます。古典は漢文と古文があり、古文の中には和歌も出てきます。
古文単語を覚えよう
古文は、まず単語を覚えることから始めましょう。古文で用いられている単語は、現在一般的に使われている日本語とは、別の意味で使われていることが多いです。ですから、意味の違いに注意して正確に覚える必要があります。
そのため、単語帳を使って受験によく出る古文単語を覚えましょう。古文単語を覚えたら演習問題を解いてみましょう。
問題の答合わせは単に答えが正しいかではなく、必ず模範解答と自分の解釈とを照らし合わせて、解釈が合っているかをきちんとチェックして見直しすることです。
敬語などの文法はしっかり覚えよう
古文では、文法を聞かれることも多いです。ですから、文法をしっかり覚える必要があります。
特に敬語はどんな文章でもほぼ確実に使われており、よく出題されます。そこで、文法の勉強はまず敬語の勉強から始めることがおすすめです。敬語をしっかり勉強すれば、間違いなく得点アップにつながるでしょう。
敬語といっても、尊敬語・謙譲語・丁寧語など種類はいくつかあり、使い方もいろいろあります。その種類と使い方をきちんとマスターすることも大事です。そうすれば、文章の主語を見極めて読むこともでき、難しい文章も読みやすくなります。
句法を完璧に
句法には、受身・使役・反語・抑揚・限定など10種類以上もあります。句法は英語の文法と同じです。句法も完璧にマスターしておきましょう。
句法が分からなければ、漢文の長文を読むことも、正確に理解することも難しくなります。句法はどのような意味か、どういう場面で使われるものかを考えて覚えることが大事です。
具体的な句法の勉強の仕方は、まずじっくり句法の説明を読み込むことから始めましょう。その上で、句法が使われている文を音読し、ポイントを書き出して、句法・句形の意味・使われている漢字をしっかり覚え込みましょう。
和歌に慣れよう
和歌はセンター試験でも頻出していましたが、共通テストでも出題されると見込まれます。センター試験の過去問や試行調査の問題をチェックして和歌に慣れておきましょう。
試行調査では、和歌に絡めて本文を読み取らせる質問がありました。共通テストでも和歌に傍線が引かれた問題などが出題される可能性があります。本文と和歌の関係などを考えて問題を解いてみましょう。
和歌をきちんと理解するためには修辞法を押さえておくことも大切です。
音読も大切
句法や単語を一通り理解できたら、次は文章を読み込んでいく段階になります。ここでのポイントは、文章を音読することです。音読することにより、文章の内容も入ってきやすくなり、自然と読解力も上がってきます。
問題を一度解いてみて、答え合わせをしてから音読するのがおすすめです。間違えた箇所やよく理解できなかった部分を意識して音読すれば、より理解が深まるからです。
また、音読をする時は、使われている単語や句法を1つ1つ確認しながら、文章全体の流れをつかみ、その意味を押さえて読んでいくと良いです。
国語で点数が取れない人が意識すべきこと
しっかりと勉強をしたにも関わらず、「国語で点数が取れない」「国語が難しすぎる」と悩んでいる人も多いでしょう。勉強だけでなく実際に解く際にも、いくつかポイントを押さえておくことで点数は大きく変わってきます。
共通テストの国語で点数が取れない理由として、特に多いのが「時間が足りなかった」というものです。このような失敗に陥ってしまう原因として、試験前の戦略不足という点が挙げられます。
ただ漠然と最初の問題から解くのではなく、問題を解く順番とそれぞれの大問にかける時間を予め決めておき、それに則って問題を解く練習を繰り返しましょう。
このようにペース配分を決めておくことで、実際の試験でも焦らず取り組むことができます。時間に関しては、それぞれの得意不得意によって変わってきますが、順番は「得意な方から始める」とするのがおすすめです。
得意なものをペース良く解くことでエンジンがかかり、その後の問題も自信を持って取り組みやすくなります。
これらと、上記の勉強法を理解した上で、本番まで練習を繰り返しましょう。センターの過去問だけでなく、共通テスト対策用問題集を利用することも苦手克服には必須です。
適切なやり方で何度も練習を繰り返すことで、着実に点が取れるようになります。
共通テスト国語の勉強計画の立て方
ここでは、共通テスト国語の勉強計画の立て方をご紹介します。
共通テスト国語の勉強は、「試行調査の問題」から始め、次に「センター試験の過去問」、そして「実践問題集」で仕上げるのが、基本のおすすめの流れです。
勉強計画の立て方を具体的に見ていきましょう。
試行調査の問題を解こう
まず共通テストの試行調査の問題を解いてみることから始めましょう。
「試行調査」は、2021年1月から始まる共通テストでどんな問題をどのように出題すべきかを探るためのプレテストです。大学入試センターが、高校2・3年を対象に2017年・2018年に2回実施したものです。
つまり、試行調査は共通テストの出題傾向を伺わせるものです。これを活用すれば問題の傾向を詳しく知ることができます。共通テストはもちろんまだ実績がありません。現状では共通テストを知る上で試行調査が一番参考になります。
過去問も要チェック
次にセンター試験の過去問も必ずチェックしましょう。少なくとも直近の2~3年分は解いておいた方がよいです。
共通テストとセンター試験の問題では多少の変更はありますが、基本的な問題のパターンや解き方は、大差ありません。ですから、センター試験問題を練習して解けるようにしておけば、共通テストの問題も解ける可能性は高いです。
遅くとも共通テスト向け模試が多くなる秋ごろまでに、過去問を一通り解いておくようにしましょう。
模試を有効活用しよう
共通テスト対策の模試は夏ごろから始まり秋には数も多くなります。この模試を有効活用しましょう。模試を受験すれば、その時点の自分の学力レベル、志望校・他の受験生の偏差値レベルも知ることができます。
合格ラインに不足している点数、自分が弱い分野・力を入れるべき箇所もつかめます。本番の試験を見定めて、埋めるべき点数を確実にするために計画的、効率的に勉強することも可能になります。
フォローアップの準備期間も考えると、高校3年生の秋ごろから模試を受験するのがちょうど良いタイミングになるでしょう。
市販の実践問題集で最終チェック
共通テスト向け勉強の仕上げは、実践問題集を解いて最終確認することです。実践問題集は、基本的に試行調査の内容を反映して作られていると考えられます。
そのような共通テスト向けの実践問題集を選んで解く練習をしておけば、本番で見慣れない問題が出て戸惑う恐れも少なくなります。冬ごろから問題集を解き始めて、本番までに何回か解いて、問題にも慣れておきましょう。
いくつかの受験予備校から、試行調査を踏まえた実践問題集が出されています。ぜひチェックして、自分にあった問題集を選んで活用しましょう。
共通テスト対策は通信教育がおすすめ
共通テストで8割をとることは容易ではありません。
万全な準備・対策を行うためには、通信教育の活用が非常におすすめです。
各社では、共通テスト対策の試験傾向を入念に分析したうえで指導や教材を提供しており、本番で得点を引き上げるためのエッセンスを余すとこなく吸収することができます。
また、本番に即した演習の機会も豊富に設けられているため、学んだノウハウを実際に活用する場も用意されている点も魅力の一つです。
以下の記事では、通信教育・予備校各社の特徴について詳しく解説しているので、こちらも併せてご覧ください。
共通テスト国語についてまとめ
共通テスト国語についてまとめ
- 複数テキスト・資料を利用した問題などがセンター試験と違う点がある
- 共通テストで8割取るためには速読・読解力などの勉強対策が必要である
- 現代文評論は接続詞に注意・小説は感情移入しない、古典は単語・句法などが大事
- 試行調査、センター過去問、実践問題集の順で問題を解く
共通テスト国語について8割取るための勉強法や現代文・古典の傾向まで解説しました。
共通テストはセンター試験との違いもありますが、勉強の基本は同じです。現代文と古典それぞれ注意すべきポイントもありますが、試行調査や過去問、問題集も活用してしっかり準備すれば8割突破も十分可能です。
この記事を参考にして、万全の準備をしてください