指定校推薦の小論文対策は?合格率・受験方式別対策法から小論文の書き方・参考書まで解説
「指定校推薦の小論文対策はどのようにすればいいの?」
「小論文のおすすめの書き方や、対策できる参考者を知りたい!」
このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
高校の授業ではなかなか小論文を実際に書く機会が少ないため、指定校推薦の小論文対策に困っている学生も多いのではないでしょうか。
希望している大学に入学するためにも、質の高い小論文を書き上げる必要があります。
こちらの記事では、指定校推薦の小論文の書き方やおすすめの参考書などについて、詳しく解説していきます!
指定校推薦の小論文対策についてざっくり説明すると
- 小論文の書き方や構成をまずは理解しよう
- そもそも指定校推薦の合格率はほぼ100%に近い
- 学部ごとの出題傾向を把握しておくと良い
- 良い論文を実際に読むのは非常に参考になる
指定校推薦の概要
指定校推薦とは
指定校推薦とは、大学が定めた指定校の生徒のみが出願できる受験方法です。
指定される高校は大学サイドが高校のこれまでの進学実績に応じて指定するため、高校によって指定校推薦ができる大学や学部・人数に差があります。
指定校の枠は毎年異なるものの、おおよその大学の数や定員は変わらないため、気になった場合は担任や進路指導の先生に相談して対応を考えておくことをおすすめします。
指定校推薦の日程
指定校推薦の出願時期と試験時期は大学によって異なります。
例年であれば、6月~8月頃に学校内で指定校の枠が発表され、校内選考を経て10月頃までに推薦される生徒が決定します。
その上で大学への出願が10~11月頃に行われ、それぞれの学校が指定した方式によって受験が行われます。
最終的に12月頃までには合否が決まることになります。
校内選考の内容
指定校の枠は6〜8月頃に発表され、この時期になると校内でも進路指導の先生や担任の先生と面談を行い、志望校の確認や指定校の枠のすり合わせが行われます。
しっかりと意思を確認して指定校推薦を希望する場合は、正式に文書で校内選考にエントリーする必要があります。
結果次第では余った枠にもう一度エントリーすることも可能ですが、基本的に枠が余るケースは稀です。
そのため、途中で判断を変えることが無いように、当初からしっかりと志望校を決めておくことをおすすめします。
指定校推薦の試験内容
志望理由書
指定校推薦で志望理由書を書かせる学校は少なくなってきていますが、出願する時点で志望理由を記載させる可能性はあります。
志望理由書を書く際には、その大学や学部の特徴を知るためにもパンフレットやホームページにしっかり手を通しておきましょう。
しっかりと情報を集めてから志望理由書を書くことで、本気度をアピールできるようになります。
また、しっかりとこれまでの学生生活で得たものや経験を振り返ってみて、魅力的なアピールができるように推敲を重ねましょう。
面接
多くの学校で面接試験を課しているので、志望理由や自分の長所などをブラッシュアップし、しっかり対策しておくことが大切です。
大学側はその学生の素性は分からないため、面接では個人の特性や人間性、大学進学への意欲などの学力以外の要素を評価しています。
そのため、志望理由や自己PRなどのほぼ必ず聞かれるような定番の質問に関しては、事前に答えを用意しておくと安心です。
その上で、自分の長所や入学したい意思を魅力的にアピールできるようにしておくことで、合格を手繰り寄せることができます。
指定校推薦の場合は既に学力があることは分かっている状況なので、他の生徒と差を付けるというよりも無難な回答に徹し、一般的なマナーや誠実な受け答えなどの社会常識を重視するべきです。
小論文
最近では、面接と合わせて小論文も課す学校が増えつつあります。
小論文を書かせることで、その学生の文章作成力や思考力を測っています。
小論文を課す大学の中には、書いて郵送で送るというパターンと試験当日学校で一般入試のようにその場で書くというパターンがあります。
実際に学校で書く場合は、情報収集することができず自力で解くことが求められるため、たくさんの練習を積んで対策しておくと良いでしょう。
また、学校によって小論文の問題形式は様々なので、受ける学校の問題形式をしっかり調べてから対策を行うことをおすすめします。
指定校推薦の小論文の勉強法を紹介
小論文の書き方
基本的な小論文の構成は、序論で自分の考えを記し本論でその理由と経験・裏付けを記し、結論でまとめとしてもう一度自分の考えを記すのが一般的です。
なお、序論と結論に関しては問題文に対する賛成か反対かの考えを明確に書くことを意識しましょう。
自分の立場を明確に伝えないと「何が言いたいんだ?」という論文になってしまうため、注意が必要です。
また、無理をして難しい語彙や漢字を使って活用法を間違えてしまうのは問題なので、あまりおすすめできません。
小論文は減点採点で行われるため、余計なテクニックは使わずにシンプルに「自分の考えを伝える」ことに集中しましょう。
絶対に減点されないフォーマットに沿って書くことで安定した評価を得ることができるため、この点はしっかりと押さえておくべきです。
指定文字数の8割は埋める
小論文では、指定された文字数の8割以上を埋めることが大前提です。
つまり「5000字程度で述べよ」という指定があった場合は、最低でも4000字以上を書く必要がある、ということです。
実際に書いてみて8割以上を埋めることが難しい場合は、本論の部分である理由や自分の体験談をさらに付け加えて、文字数を稼ぐ手法がおすすめです。
指定校推薦における小論文では「指定文字数の8割以上を埋められるかどうか」という点に注目されているため、苦手や分野からの出題でも絶対に指定文字数の8割は埋めるように心掛けましょう。
何度も練習することで序論と結論の文字数は概ね決まってくるため、逆算して「本論にどれぐらい文字数を使わなければならないのか」を考えてから書き始めると良いでしょう。
何本かストックを作っておく
小論文入試では文字数に対して制限時間が短いことが多いため、自分の考えをスムーズにまとめて素早く書き出さなければなりません。
すぐに書き始められるように、何本か構成のフォーマットを作っておくと本番でも焦らずに済みます。
また、「賛成なのか反対なのか」「~についてどう思うか」など様々な問題形式があるため、各形式に対応した書き方やひな型を作っておくと安心です。
このようなストックを持っておくことで本論で書くべき内容を考える時間が増えるため、その結果余裕を持って解くことが可能となります。
テーマ別で自分の考えを作っておく
フォーマットを作っておくだけでは安心できないという方は、志望している学部で出題されそうなテーマに絞って何度か練習してみると良いでしょう。
テーマ別でいくつか自分の意見を作っておき、実際に文章化することで文章を書く力が鍛えられます。
例えば、経済学なら最近あった経済ニュースの中で自分はどのような立場なのかを考えておき、またその立場を取る理由や裏付けとなる自分の経験談を考えてみると良いでしょう。
テーマはその学校や学部の過去問を参考にしつつ、また小論文対策の市販の参考書も手元に準備して目を通してみると実践的なスキルを身に着けることができるはずです。
実際の出題テーマ例
出題テーマは学部によって異なるので、自分の受験する学部の過去問を確認しておくことが重要です。
例えば、社会系学部の場合は以下のような問題が狙われます。
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内閣府『高齢社会白書』を読んで、文書やグラフから分かることを自分自身の考えで述べよ。(和光大学・現代社会学科 )
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携帯電話・スマートフォン・ウェアラブル端末(身につけて持ち歩くことのできる情報端末)などが発展することでどのような活用方法ができると考えますか。 (新潟国際情報大学・情報文化学部 )
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現在の日本は少子高齢化が進んでいると言われます。このままその傾向が続くと、社会的にどのような問題が生じると考えられますか。(富山国際大学・現代社会学部)
このように、学部ごと出題傾向に特徴があるため、過去問に目を通すことを非常に重要なのです。
問題集はやるべき?
学校や塾で小論文対策をこなしており、書き方のルールやコツを先生から教えてもらえるような方は、自分で積極的に過去問に取り組むと良いでしょう。
多くの学校で作文を書く授業は行っていますが、小論文は作文と記述のコンセプトが違うため、書き方のルールや主張の示し方が少し異なります。
そのため小論文を実際に書いて誰かから添削を受けたことがない方は、問題集や参考書をやりこんで書き方のコツなどを身に着ける必要があります。
また、小論文は他の教科と違って正解が無い試験なので、模範解答が分かりやすく書かれている問題を解いて、自分の回答と見比べる作業は非常に有意義です。
参考書を使用して、小論文対策を行いたいと考えている人も一定数いますので以下の記事では小論文におすすめの参考書ランキングを紹介しています。
また、小論文対策の勉強法についてさらに詳しく知りたいという方は、以下の記事も参考にしてみてください。
指定校推薦は落ちる?
指定校推薦の合格率はほぼ100%
指定校推薦は一般入試と異なり、大学側が指定した学校の指定した人数しか受けることができません。
そのため、基本的に校内選考を通過すれば落ちることはほとんど無く、合格率は非常に高いと言えます。
また、大学サイドから見ても指定校推薦である程度の定員を確保するという狙いがあるので、わざわざ審査して校内選考を通過した学生を落とすことはしません。
そのため、よほどのことをしなければ指定校推薦で落ちることは無いため、合格率が高いという点は安心と言えるでしょう。
まれに指定校推薦に落ちる人もいる
合格率は非常に高いため指定校推薦に落ちることはほぼありませんが、当然のことながら校内選考までの学校生活を卒業まで続けることができることを前提にしています。
また、指定校推薦も受験形態の一つなので、社会的に問題のあるなる行為を行うと、もちろん不合格になってしまいます。
つまり、非常に稀なケースではありますが、指定校推薦に落ちてしまうケースもあるのです。
以下で指定校推薦に落ちるケースを紹介していくので、校内推薦を通ったからといって最後まで気を抜かないように心掛けましょう。
犯罪行為を犯した場合
言うまでもないことではありますが、犯罪行為に関してはとても気をつけなければなりません。
窃盗や傷害などの警察に逮捕されるような犯罪行為を行ってしまった場合、進学先から内定取り消しになるどころか高校も退学処分になってしまう恐れがあります。
進学先が決まって気が緩んでしまうと、若気の至りからかどうしても校則を破ったりお酒やタバコなど法律を犯す行為に走ってしまう学生がいます。
それが何らかの形で明るみに出てしまうと、指定校推薦であっても不合格になったり高校を停学になってしまい卒業できなくなる危険があります。
つまり、しっかりと進学するためにも真摯に学校生活を送り慎重に行動することが重要です。
入学手続きを行わなかった場合
指定校推薦でも入学手続きが必要になりますが、入学手続きを行わなかった場合は入学の意思がないとみなされ不合格になってしまいます。
毎年必ず何人か入学手続きを忘れてしまう学生が出てくるため、手続きの流れや期日をしっかりと確認しておき、手続きをし忘れないように気を付けましょう。
「ついうっかり」が許されないこともあるため、油断することなく早めに入学手続きを済ませることをおすすめします。
高校を留年した場合
指定校推薦はあくまでも高校を卒業することを前提として募集されているものなので、高校を留年してしまい卒業できない場合は不合格となってしまいます。
秋ごろに成績が確定し校内選考を通過することになりますが、そこで油断してそれ以降学校をサボったりして高校を留年してしまうと、取り返しがつかないことになります。
つまり、指定校推薦をパスした後も普段と変わらない態度で学校生活を送ることが求められます。
おすすめの小論文対策の参考書を紹介
何を書けばいいかわからない人のための 小論文のオキテ55
「何を書けばいいかわからない人のための 小論文のオキテ55」は191ページで構成されており、価格は1,980円で著者は鈴木鋭智氏、出版社はKADOKAWAです。
この参考書は小論文初心者向けであり「小論文で何を書くべきか思い浮かばない」「毎回同じような書き方になってしまう」と悩んでいる学生にピッタリです。
また、そもそもの小論文のルールや書き方が分からない場合は、ぜひ手元においておくべき1冊と言えるでしょう。
小論文の基礎を身に着ければその後の演習がスムーズに進むため、小論文に対して不安や苦手意識を持っている方はぜひ購入するべきです。
全試験対応! 直前でも一発合格! 落とされない小論文
「全試験対応! 直前でも一発合格! 落とされない小論文」は192ページで構成されており、価格は1,650円で著者は今道琢也氏、出版社はダイヤモンド社です。
この参考書は様々なパターンの小論文のテーマや形式の問題を載せているため、様々な問題に慣れておきたい受験者におすすめです。
また、減点されない書き方や時事で狙われやすいポイントなどを解説して効率よく小論文のスキルを鍛えることができるため、少ない努力で最大の成果を挙げることが期待できます。
「即効性が高い」という口コミもあることから、多くの受験生から高い支持を受けていることが分かります。
書き方をマスターしたらとにかく演習を重ねよう
小論文を書くスキルを高めるためには、とにかく練習をたくさん重ねることが大切です。
たくさんの練習を重ねることで自然と小論文を書くコツや綺麗な文章の流れを身に着けることができるため、実践的な演習は非常に重要です。
良い論文を実際に読むのも有意義
実際に良い論文に触れて読むことで、自分が実際に書く際に生かすことができます。
具体的には、新聞の社説や論説文を読むことは非常に有意義です。
これらの文章は手ごろな文字数で自分の主張をまとめているため、大学受験の小論文対策にぴったりなのです。
また、書き方も読み手を意識して自分の主張のしっかりと分かりやすく伝えているだけでなく、その裏付けとなる根拠も述べています。
これらの書き方は非常に参考になるため、ぜひ実際に読んでみて「このような書き方をすれば上手に主張を伝えられるのか」というコツを掴んでください。
添削してもらってフィードバックを活かそう
実際に論文を書いた後は、第三者(できれば担任の先生や予備校講師)に読んでもらって客観的な評価やフィードバックをもらいましょう。
もらったフィードバックを生かしてどんどんブラッシュアップしていくことで、論文の質を高めることができます。
自分で書いただけだとなかなか客観的な評価をもらうことができないため、ぜひ添削に慣れている人から評価をもらいましょう。
書き慣れれば小論文が得意になる
小論文と聞いて苦手意識や拒否感を覚えてしまう方は多いでしょう。
しかし、書き慣れることができれば実は小論文はそこまで難しくなく、むしろ得意意識を持つことも可能です。
小論文に得意意識を持つためには、たくさん練習して苦手意識を払拭することが重要です。
そもそも「自分の主張をや考えを伝えること」は日常生活でも大切なコミュニケーションなので、本来であれば楽しい作業のはずです。
しっかりと根拠や裏付けを提示して読み手が納得できるような文章を書ければ、自信がついて小論文を書くことがどんどん楽しくなっていくはずです。
指定校推薦の小論文対策まとめ
指定校推薦の小論文対策まとめ
- 指定校推薦の合格率はほぼ100%だが、素行の面にも注意が必要
- 小論文の書き方やフォーマットを準備しておくと安心
- 不安な場合は問題集を買って練習しておこう
- たくさんの練習を重ねれば自然と書くことに慣れる
指定校推薦では面接だけでなく小論文が課されることがあります。
そのため、小論文に書きなれていない方や苦手意識がある方は、早い段階で対策に着手して書き慣れることが大切です。
とはいえ、指定校推薦の合格率はほぼ100%なので、そこまで気張る必要はなく基礎を押さえて自分の主張を分かりやすく伝えることを意識すれば問題ありません。
この記事を参考にして、ぜひ指定校推薦を活用した進学に役立ててみてください。