予備校生は学割で通学定期が買えるの?各予備校ごとに具体例を徹底解説!

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「浪人生が予備校を利用する場合に、通学費用を少しでも抑える方法について知りたい」

「予備校で学割が適用される学校と適用されない学校があるというけれど、何が違うんだろう?」

この記事では、代表的な予備校の学割制度について、詳しく解説しています。

授業料以外の費用を少しでも押さえたいと考えている人は、必見です!

「予備校で学割適用があるかどうか」についてざっくり説明すると

  • 運営母体に「学校法人」の名称がついていれば、ほぼ通学定期が使える
  • 学割が使える学校でも、入学時期によっては利用できない場合もある
  • 通学定期以外の学割は学生証の提示で学割が適用される

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予備校生は学割が使える?

スマホを操作する女性

予備校生の社会的な扱いについては、「学生」とみなされ、学割が効くのが一般的です。

結論としては、通っている予備校の運営母体の名称に「学校法人」という記載があれば、おおむね学割が適用されると考えて良いでしょう。

また、通学定期の種類などで、学生のカテゴリー分けが「高校生」なのか「大学生」なのかについて混乱するかもしれませんが、通常は「大学生」として扱われます。

以下の項目で、詳しく解説していきましょう。

予備校生は学生扱いになる場合が多い

予備校生は、一般的には学生扱いをされるケースが多いと言えます。

ただし、通学定期などで学割を適用されるためには、「学校法人」の名称がついているのが条件です。後述するように「サテライン予備校」などでは利用できないケースもあるので、運営母体の名称を調べると良いでしょう。

学校法人が運営母体でない場合は、「株式会社」が運営しているケースが多く見られます。

ここで、主な予備校の運営方式について確認してみましょう。

予備校名 学校法人か
河合塾 ◯学校法人河合塾が運営
駿台予備校 ◯学校法人駿河台学園が運営
代々木ゼミナール ◯学校法人高宮学園が運営
東進ハイスクール
(東進衛星予備校)
✕株式会社ナガセが運営

河合塾と駿台予備校については、学校法人としての認可を受けており、通学定期券の購入でも学割が適用されるケースが大半です。

ですが、東進ハイスクール(東進衛星予備校)は設立当初から株式会社の形態で運営されており、法律上は「学校」として扱われていません。

また、テレビコマーシャルなどで名前を目にする予備校のうち、「四谷学院」も、株式会社の運営方式を採用しています。

これら株式会社方式の予備校の学生証は、社会的な「身分証明書」としての効力を持たず、基本的に塾内でしか利用できません。

通学で学割が利用できると、どれだけお得になるの?

電卓

予備校生の日常生活で身近な学割というと、やはり「通学定期」ではないでしょうか。自宅から予備校までの交通費を都度払いしているとコストが嵩むので、通学型の予備校生は定期を購入するケースが大半でしょう。

ですがICカード精算が普及している現在、ICカード利用の場合と、通学各種定期の利用でどれほどの差が出るかは、具体的なイメージがつかみにくいかもしれません。

ここでは、新江古田から駿台予備校のお茶の水校まで通った場合で、比較してみましょう。

新江古田~JR御茶ノ水の場合

仮に、新江古田から都営大江戸線を利用して新宿を経由し、JRに乗り換えてJR御茶ノ水駅で下車するとしましょう。

(料金に関しては執筆時の情報を参考にしております。最新情報については公式サイトより確認してください。)

ICカード利用の場合、この区間の通常料金は388円です。

往復で776円かかりますから、1カ月22日通ったとすると、1ヶ月当たり17,072円必要ですね。

これに対して、同じ区間の通学定期・通勤定期をそれぞれ購入した場合の料金は、以下の通りです。

1ヶ月 3ヶ月 6ヶ月
通勤定期 8,980円 25,600円 48,500円
通学定期 14,280円 40,690円 73,950円

どれくらい通えば定期代の元が取れるの?

通学定期が利用できる場合は、1ヶ月定期の場合、13日以上の利用日数があれば、定期券を購入した方がお得になります。3ヶ月・6ヶ月定期では1ヶ月あたり11日通うと、十分に定期の元は取れる計算でしょう。

一方、通勤定期の場合は、1ヶ月につき19日~16日通うと、定期券の元が取れる計算です。

普段はICカードで精算してしまう人でも、1年間それを続けると、かなり金額面でロスします。また、通学定期と通勤定期でも毎月5,000円前後の差が発生しますから、通う予備校で学割が使えるかどうかは、非常に影響が大きいと言えるでしょう。

【予備校別】通学定期券は買える?

コインと芽生え

「学校法人」が名称に含まれている予備校は、基本的に学割が使えると考えて良いでしょう。ただし、手続きの詳細や校舎によって扱いが異なることもあります。

以下の項目では、学校ごとの詳細について解説していきましょう。

(制度に関しては執筆時の情報を参考にしております。最新情報については公式サイトより確認してください。)

駿台の場合

駿台予備校は、春(4月)に入学した生徒のみ、学割が適用され通学定期が利用できます

例年4月1日以降に、各校舎の窓口で申し出ることによって、通学証明書が発行されます。この通学証明書を持参して利用路線の発売窓口に申し出ましょう。

ただし、後期以降に通学をする人や季節講習のみの利用者は、学割適用の対象外です。これは、鉄道会社が学割を適用する「指定学校」認定の要件として、「一定期間継続的に修学する生徒等が対象」と規則で明記しているためです。

また、特設単科生も対象外ですので注意してください。

基本的に浪人生のみが通学定期券の利用を認められていますが、一部特例として、横浜市営地下鉄のみ現役フロンティア生でも通学定期券が購入できます。

河合塾の場合

河合塾では校舎によって扱いが異なり、多少仕組みが複雑です。特に注意が必要なのは、次の3校舎です。

  • 秋葉原館
  • あざみ野館
  • 藤沢館

これらの校舎に通う際には、一部の私鉄を除いて4・5月入学でも、通学定期券は購入できません。ただし、通勤定期との差額を埋める割引制度があり、申請をすれば実質的に通学定期の費用で済みます。

詳しくは入塾決定後に河合塾から送付される「入塾関係書類」で確認しましょう。

また、河合塾では「学生・生徒旅客運賃割引証」を発行してもらうことで、帰省や受験の際に100km以上の長距離移動の運賃が、通常料金の2割引で利用できます。

実家を離れている生徒にとっては、お盆や年末年始の帰省、または遠方の大学受験の際に利用すると非常に助かります。利用を検討する場合は窓口で問い合わせてみましょう。

代々木ゼミナールの場合

代々木ゼミナールも、上記2校と同じように、年間を通してその校舎に通う生徒のみ通学定期が購入できます。ただし、似た名称の「代ゼミサテラライン予備校」については注意してください。

同じグループの会社ではありますが、こちらは2020年7月現在、日本全国に580の校舎を持ち、直営校の授業を視聴するサテライン授業であるのが特徴です

どの校舎でも直営校の授業を視聴・学べる反面、地元の塾などがフランチャイズ契約を結び、それをセールスポイントにしていることが多いのが実情です。

この場合、学校法人の認可を受けていない株式会社が運営していることも多く、結果的に鉄道会社の「指定学校」に該当せず、学割が使えないケースも非常に多いです。

このようなサテライン授業校舎への通学を検討している方は、まずは通学予定の校舎に詳細を問い合わせてみましょう。

東進衛星予備校の場合

東進ハイスクール(東進衛星予備校)は、運営元が「ナガセ」という株式会社です。直営の校舎は東進ハイスクール、フランチャイズ契約を結んでいる校舎は東進衛星予備校と名称が変わりますが、サービス内容はおおむね同じと言えます。

先の表でも触れたように学校法人ではないので、学生証は発行されますが、公的な身分証明書としての効力は持ちません。また、学割も効かないので、公共交通機関を利用する場合には通勤定期を利用して通学します。

学生証そのものも、登下校の際にバーコードをかざして出席確認に利用したり、DVDの貸し出し・返却の際に使ったりする程度です。

四谷学院の場合

四谷学院も予備校と言われますが、運営元がブレーンバンクという株式会社です。先の東進と同じように、学校法人ではありませんから学生証の効力は内部にとどまり、身分証明書としての効力は持ちません。

学割も利用できませんので、通学の際には、場合によっては通勤定期を利用しなくてはなりません。通学を予定している人は、通学費用に注意してください。

通学定期券が買えない場合はどうする?

通学定期券を購入できない場合には、通勤定期券を購入しましょう。通学定期券の購入の際には学生証の提示などを求められますが、通勤定期券では誰でも購入できます。

先の料金表からも分かるように、通学定期券と通勤定期券ではかなり差額がありますが、それでも都度払いをするよりは遥かにお得です。 浪人生の予備校の授業はほぼ毎日あるケースが多く、たとえ通勤定期でも十分に元は取れると言えるでしょう。

ただし、これは予備校の授業コマ数が多い時期に限ります。

年が明けて共通テストが終わってからは、授業のコマ数もかなり少なくなりますし、夏休み・冬休みなど長期休暇の時期は、通常授業に代わり季節講習が単科開講されているケースも多いものです。

さらに、代ゼミのサテラインや東進のようにオンライン授業を取り入れている予備校では、自宅受講との兼ね合いから毎日通わなくて済むこともあるでしょう。

これらのケースであれば、定期券を購入すると割高になるので、受講スタイルを確認してから定期券購入を検討するのがおすすめです。

カラオケや映画館などでも学割は使える?

通話中

上記の項目でも説明しましたが、学校法人により運営されている予備校の生徒は、公的に学生扱いになります。学生証自体も身分証明書として利用できますから、カラオケ、映画館、美容院など日常生活の「学割」が効くことになるでしょう。

一方、株式会社が運営元の予備校では、顔写真付きの学生証でないことも多いものです。極論を言えば、所持者が本人かどうか確かめようがありませんから、塾内でしか学生扱いされない要因にもなっています。

ただし、日常生活ではそれでは困る場面も多々あるでしょう。このように株式会社が運営元の予備校生が持つ公的な身分証明書としては、マイナンバーカードなどがおすすめです。

顔写真付きの公的身分証明書としては代表的なものであり、身分に変動があっても公的情報が紐付いているので、使い勝手は非常に良いと言えます。

「予備校で学割適用があるかどうか」についてまとめ

「予備校で学割適用があるかどうか」についてまとめ

  • 学割を利用したいと考えている人は「学校法人」をチェック
  • 予備校だからといって必ずしも学割が利用できるわけではない
  • 学割が効かない場合には通常の社会人としての対応をしよう

予備校生というと、名称から何となく「学生」の扱いを受けて当然と思ってしまうかもしれません。

ですが公的には「学校法人」の名称がつく予備校生のみが学生としての扱いを受け、そうでない場合は一般社会人としての扱いを受けます。

鉄道会社の「学割」なども、万が一規約違反が発覚した場合には重大なペナルティがあり、同じ予備校の生徒にも多大な迷惑をかけてしまいます。

安易に「予備校生だから学割が使えるはず」と思い込まず、まずは学校にしっかり確認をしてくださいね!