映像授業のデメリットは?意味ないと言われる理由をライブ授業と徹底比較して解説
「映像授業のデメリットってどんな部分?」
「集中できないって言われるのは本当?ビデオ授業とライブ授業の違いは?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
最近はスタディサプリなど、スマホやタブレットなどを使って、プロ講師の映像授業を気軽に見られるサービスが人気です。
自宅学習やスキマ時間の勉強などの効率性を高められる良いサービスですが、「集中できない」など、学習効果を疑問視する声もあります。
そこで今回は映像授業のデメリットを、集中できないと言われる要因やビデオ授業とライブ授業の違いなどともに紹介するので参考にしてください。
映像授業のデメリットをざっくり説明すると
- その場で質問して疑問を解消することができない
- 一定の自己管理能力が必要になる
- 競争相手を作りにくい
- 上手に活用すれば十分な学習効果を得られる
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映像授業とは
映像授業とは、講師と対面せず、パソコンやスマホなどで授業を受ける動画教材のことを指します。
一般的に「映像授業」と呼ばれる場合は、録画された授業動画のことを意味し、オンラインでのライブ授業とは区別される場合が多いです。
また映像授業の受講方法には、以下2つのパターンがあります。
- 手持ちのパソコンやスマホ、タブレットで好きな場所から受講
- 塾や予備校の教室にあるパソコンで受講
かつては東進衛星予備校など、後者のパターンが主流でしたが、昨今はデジタル技術の発展や感染症の影響による外出自粛などで、前者がかなり普及しています。
スタディサプリなどがその代表例ですが、デバイスさえあれば、いつでもどこでも授業を見られるので便利です。
昨今はオンライン家庭教師も普及
映像授業とは別に、オンライン家庭教師というサービスも普及しています。
こちらは録画されたビデオ授業とは違い、オンラインでリアルタイムの授業を受けることが可能です。
こちらは後述するライブ授業の一種だと言え、その場で質問できる、適度な緊張感を得られるなどのメリットがあります。
また教室に通うことなく、自宅で気軽にマンツーマン指導が受けられることも魅力です。
ただし、速度を変えたり、巻き戻し・早送りができたりするわけではなく、授業の日程も予め決定されるので、映像授業のように完全に自分のペースで勉強できるわけではありません。
映像授業のデメリットは?
まずは、映像授業のデメリットを具体的に把握しておきましょう。
直接授業をしている講師に質問ができない
塾や予備校などの対面授業では、わからないことがあれば、授業中や授業後に質問できます。
その場その場で講師に話しかけて疑問点を解消できるので、スムーズに学習を進められます。
一方で録画された映像授業の場合は、即座に質問することができません。
質問対応のサポートなどを利用して疑問を解決することはできますが、回答が得られるまでには一定の時間を要します。
自己管理が難しい
映像授業では、自分で視聴する動画の難易度を選択しなければなりません。
授業のレベルが高すぎても低すぎても、十分な学習効果は得られないので、自分自身の学力をきちんと見極め、適切なものを選ぶ必要があります。
また映像授業は、対面授業ほど緊張感がなく、ついつい居眠りをしてしまう生徒も多いです。
疲れたときに自由に仮眠を取れるのは魅力的ですが、眠ってばかりだと学力は高められません。
以上を踏まえると、映像授業での学習を成功させるには、一定の自己管理能力が必要だと言えます。
ちなみに塾に通う場合は、自己管理が不得意であっても、順調に勉強することが可能です。
競争相手ができにくい
映像授業は基本的に一人で見るものであるため、集団塾に比べると勉強仲間を作りにくいです。
そのため、切磋琢磨できる同志やライバルが欲しい場合は、映像授業だと不足を感じることがあるでしょう。
ただし、昨今はTwitterなどでも繋がりを作れるので、かつてに比べるとこのデメリットは解消されつつあると言えます。
校舎に行って受けるべき?
先述した通り、映像授業には校舎に行って動画を視聴するという受講スタイルもあります。
このスタイルが向いているのは、即座に質問がしたい方や自宅では集中して勉強できたいという方などです。
一方でできるだけ出費を抑えたい方や、通塾する時間がない、もしくはもったいないと感じる方は、スマホやパソコンなどで好きに視聴するスタイルをおすすめします。
映像授業のメリットは?
デメリットが心配になってしまう映像授業ですが、一方でそのメリットは実に豊富です。
いつでもどこでも受講できる
集団塾では授業の時間割が予め決められており、個人的な融通をつけることは難しいです。
個別指導の場合は、比較的柔軟性は高いですが、それでも一定の制約はあります。
それらに対し、スマホやパソコンなどで視聴する映像授業であれば、好きな時間に好きな場所で視聴することが可能です。
よって部活や習い事などで忙しい場合でも、無理なく勉強を続けられます。
バスや電車での通学中や休み時間などのスキマ時間を有効活用することもできて効率的です。
また塾や予備校に通う必要がないため、時間や労力の節約にもなります。
さらに居住地域によっては、近くに良い塾がないこともありますが、映像授業を活用すれば、その場合でも良質な教育を受けられます。
何度でも復習が可能
繰り返して見たり、途中で停止したりと、自由な仕方で授業を受けられるのも映像授業の魅力です。
説明を聞いて理解できないときや勉強の最中にトイレに行きたくなったときなどでも、映像授業なら柔軟な対応をすることができます。
また難しいと感じた単元を何度も復習することも可能なので、上手に活用すれば、非常に高い学習効果を得られます。
自分のペースで勉強できる
映像授業のサービスでは、視聴する授業を自由に選ぶことができるので、それぞれのペースや学力に適した学習が可能です。
例えば、数学が苦手な高校生なら、高1や中学生向けの授業を選択し、つまずいている部分をおさらいすることができます。
逆に数学が得意な生徒であれば、学校の授業でまだ習っていない内容を先取りするのも良いでしょう。
また中高一貫校の生徒などは、中学生のうちから高校内容の授業を受ける場合もあります。
このように、映像授業を活用すれば、それぞれにふさわしい内容を勉強できるため、学習効果や効率性の点で魅力的です。
費用が安い
基本的に映像授業は、塾に通うのと比較して、リーズナブルな費用で利用できます。
例えば、スタディサプリなら、月あたり1,815円(税込)で全教科・全科目の授業が見放題です。
高校生が学習塾に通えば、年間で約50万円程度かかることが多いことを踏まえると、かなりお得だと言えます。
質の高い授業を受けられる
映像授業を担当する講師は、大手予備校でも授業を受け持っていたり、人気の参考書の著者であったりする場合が多いです。
一般的な塾では指導を受けることが難しいとも言える、指導実績に優れた有名講師の授業を見られる点は、非常に魅力的と言えるでしょう。
特に塾や予備校の数が少ない地方は、講師のクオリティのばらつきが大きいことから、良質な映像授業を選択するメリットは大きいです。
ライブ授業(対面授業)とメリット・デメリットを比較
この記事では、塾や学校などで生徒と講師が対面して実施される授業のことを「ライブ授業」と呼ぶことにします。
以下ではそのライブ授業に関して、映像授業と比較したメリット・デメリットを確認していきましょう。
ライブ授業(塾など)のメリットは?
ライブ授業には以下のようなメリットがあります。
緊張感がある
ライブ授業では、目の前に先生がいるので、映像授業とは緊張感や臨場感が全く違います。
授業中に先生と目が合うので、背筋をぴっと伸ばして勉強しようという気分になる人も多いでしょう。
また生徒の反応を見ながら、授業を臨機応変に変更できる点もライブ授業のメリットです。
録画された授業とは異なり、授業内容や進度を柔軟に変えられます。
すぐ質問できる
ライブ授業では、わからないことがあれば、授業中や授業後に質問することができます。
映像授業でも、学習サポートを使って質問はできますが、すぐに回答は返ってきません。
またライブ授業とは異なり、講師から直接説明してもらえるわけではないので、十分に疑問を解消できない場合もあるでしょう。
ライブ授業なら、講師と直接話せるため、より綿密な質問・相談ができます。
勉強仲間やライバルができやすい
集団でのライブ授業であれば、一緒に勉強する人がいるので、勉強仲間やライバルが作りやすいです。
そうした繋がりを作れれば、切磋琢磨したり、励ましあったりして、モチベーションを維持することができます。
なお、映像授業のサービスでも、SNSのように受講者同士で交流できる機能が設けられている場合もありますが、そうした環境が整っていないところもまだまだ多いです。
ライブ授業(塾など)のデメリットは?
一方でライブ授業には以下のようなデメリットもあります。
時間や定員に制限がある
ライブ授業では、時間や場所、人数などの制約があります。
部活や習い事が忙しく、時間の都合で授業に出席できない人もいます。
また自宅や学校の周辺に塾や予備校がなければ、ライブ授業は受けられません。
定員オーバーで入塾できない、希望する授業が受けられないということもあるでしょう。
わからない時に立ち止まれない
個別指導ならまだしも、集団でのライブ授業の場合、映像授業のように一旦停止や巻き戻しはできません。
そのため、途中でわからなくなり、授業の進行についていけなくなる可能性があります。
授業を理解するのが難しく感じることが多い場合は、講師やチューターに相談しましょう。
また授業後に質問に行き、その日のうちに疑問点を解消することも大切です。
講師の質にばらつきがある
塾や予備校が少ない地域では、東京などに比べると相対的に良い教師が少なく、必ずしも指導力の高い先生、相性の良い先生と出会えるわけではありません。
そのため、ライブ授業では十分な学習効果が得られない可能性があります。
そうした場合は、映像授業を選択するのがおすすめです。映像授業なら、居住地域に関わらず、大手予備校で教鞭を取るような一流講師から学べます。
映像授業が集中できないという噂は本当?
映像授業では集中して勉強できないというのは、事実ではありません。
しかし、以下のように、集中力が低下してしまいかねない要因はいくつか存在します。
指名されない
事前に録画された映像授業では、ライブ授業のように指名されることがありません。
そのため、理解できていなくてもその場で困ることはなく、怠けてしまいがちです。
しかし、理解ができていなければ、映像授業を視聴する意味はないので、適宜動画を止めるなどして、しっかり動画の内容を把握することに努めましょう。
視聴した後に内容を人に細かく説明できるレベルに達することが理想であり、そこを目指して反復的に見るのがおすすめです。
授業中ネットサーフィンをしてしまう
スマホやタブレットなどで映像授業を見ると、ほかのアプリやインターネットなどに誘惑されてしまうこともあります。
そのため、共用のパソコンなど、普段使いでないデバイスで視聴するのがおすすめです。
いつも使っているスマホなどで勉強する場合は、「スマホをやめれば魚が育つ(スマホ制限で集中する勉強アプリ)」などを活用し、機能を制限するのも良いでしょう。
画面が小さくて集中しにくい
スマホで映像授業を見ると、画面が小さいのが気になって、集中力を切らしてしまう場合があります。
よって、できればタブレットやパソコンなど、画面が比較的大きいデバイスで視聴するのがおすすめです。
スマホの小さい画面に長時間焦点を合わせると、目が疲れてしまいますし、姿勢不良から呼吸が浅くなって集中しにくくなってしまう場合があります。
またスマホ以外で視聴すれば、普段スマホで使っているアプリなどに気を取られる心配が少ないのもメリットです。
例えば、日常的には使っていないタブレットやPCを活用し、授業中はスマホにロックをかけておくなどすると、快適に勉強ができます。
映像授業の効果を高めるコツは?
以下では映像授業で高い学習効果を得るためのコツをいくつか紹介します。
アウトプットをしよう
映像授業はインプット用の教材です。そのため、それだけではアウトプットの量が不足してしまいます。
よって市販の問題集を活用するなどして、自分で問題演習の機会を作るのがおすすめです。
映像授業をメインに勉強する場合は、どうしても知識の習得に勉強の比重が偏ってしまうので、意識的にアウトプットを多めに行いましょう。
なお、問題演習でわからないところがあれば、再度映像を見直すのも有意義です。
スケジュールを立てよう
映像授業では、学習のペースが受講者本人に委ねられているので、スケジュールを立て、計画的に視聴していくのがおすすめです。
なお、学習スケジュールを作成する際は、勉強の目的を意識しましょう。
例えば、苦手を克服する目的で勉強するなら、普段の勉強に支障が出ない程度で予定を詰め込み、短期集中型で見るのが有効です。
先取り学習をする場合は、学校の予習・復習する時間も考慮した上で、長期的なスケジュールを立ててじっくり勉強していきましょう。
苦手科目を優先的に受講しよう
映像授業を主体に勉強するのも良いですが、学校や塾の補助教材としてにそれを活用するのもおすすめです。
ライブ授業で理解できなかった部分やテスト前に集中的に特訓したい箇所などを、映像授業で重点的に勉強すると、高い学習効果が期待できます。
映像授業はわかりやすさに優れた学習教材なので、苦手分野の特訓には最適です。
ノートを取ろう
最近の映像授業は総じてクオリティが高いため、ざっと視聴しただけでも、なんとなく理解できたような気分になることが多いです。
しかし、それだけで知識が定着するほど甘くはないため、映像授業を見る際は必ずノートを取るようにしましょう。
ノートを取っておけば、後から手軽に授業内容を復習することができますし、問題演習やテストの前の確認作業にも役立ちます。
特有の機能を積極的に活用しよう
ライブ授業にはない映像授業ならではの魅力は、巻き戻しや早送り、速度変更、一時停止などの機能が使えることです。
せっかく映像授業を使って勉強するのであれば、そうした機能はフル活用しましょう。
例えば、わからないところがあれば、巻き戻して確認したり、一旦停止してよく考えたりするのがおすすめです。
また2回目以降に視聴する動画は、2倍速にしたり、十分に理解できている部分を早送りして飛ばしたりするのも良いでしょう。
映像授業にはどのような人が向いてるの?
ここまで解説を踏まえ、以下では映像授業に向いている人・向いていない人の特徴をそれぞれ紹介します。
映像授業に向いてる人
- 自己管理能力が高い人
- 忙しくて塾に通う暇がない人
- なるべくお金をかけずに良い勉強がしたい人
映像授業を使って高い学習効果を得るには、自分で学習スケジュールを立て、それを実行していくという計画的な姿勢が必要です。
加えて、孤独な勉強が続く中で、モチベーションを維持するための工夫もしなければなりません。
そのため、自己管理能力の高い人のほうが、映像授業を活用した勉強は成功させやすいです。
また映像授業なら、いつでもどこでも勉強でき、スキマ時間も有効利用できるので、忙しくて塾や予備校に通う時間がない人にも向いています。
さらに塾に比べると、映像授業の受講費用はかなり安いことから、極力出費を抑えたい場合にもぴったりです。
映像授業に向いていない人
- 自己管理に自信がない人
- 勉強仲間と一緒に勉強したい人
- 講師が目の前にいる緊張感が欲しい人
自分でスケジュール管理やモチベーション管理ができなければ、映像授業で結果を出すのは難しいです。
よってそうした自己管理に自信がない場合は、塾などの利用を検討しましょう。
また一緒に学ぶ仲間と切磋琢磨しながら学力を高められる環境に魅力を感じるなら、集団塾向きです。
対面授業の緊張感や臨場感がなければ、勉強に身が入らないという場合も、ライブ授業のほうが学習効果を得やすいと言えます。
映像授業のデメリットまとめ
映像授業のデメリットまとめ
- 疑問点を解消するのが難しい
- スケジュール管理やモチベーション管理が大変
- 自己管理が得意な人や忙しい人などにおすすめ
映像授業のデメリットを紹介しました。
映像授業には、講師にその場で質問することができない、勉強仲間を作るのが難しいといった難点があります。
またきちんとスケジュール管理やモチベーション管理ができないと、十分な学習効果を得られないという点も気がかりです。
しかし、いつでもどこでも授業を視聴でき、スキマ時間を有効活用できたり、気軽に一流講師の解説を聞けたりと、メリットもたくさんあります。
上手に活用すれば、高い学習効果を得ることは可能なので、特に自己管理が得意な人や忙しい人などは積極的に試してみるべきです。