高校生の家庭学習のやり方は?予習・復習のポイントや定期テストの対策法も解説!

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「高校生になると勉強が大変になると聞いているけれど、どれくらいの学習時間が必要なんだろう?」

「部活で頑張りたいけれど、効率良く学習するには、どのような方法があるのかな?」

高校生になると、授業のペースは中学校よりも格段に早くなります。学校の授業についていくには家庭での予習・復習が欠かせませんが、効率の良い学習方法が分からずに、成績が落ちている人はいませんか?

この記事では、高校生の予習・復習などの勉強方法や、定期テスト対策について詳しく解説しています。中学生までの学習ペースの違いに戸惑っている人や、日常生活で実践できる学習方法の工夫について悩んでいる人は、必見です!

高校生向け家庭学習方法をざっくり説明すると

  • 高校生では家庭学習や予習復習は必須である
  • 日常的に正しい学習方法を実践していれば、テスト前に慌てなくて済む
  • 自宅での勉強が難しければ、環境を変えてみよう
  • 部活などで忙しい人は、通信講座の利用もおすすめ

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高校生が家庭学習する時のポイント

指差し 家庭学習をする際に、一番優先するべき事項は英語と数学の予習です。 この2科目は苦手とする人も多く、実力が伸びるまでに時間がかかる科目だからです。

予習・復習の基本的なポイント

高校生の勉強は中学校までと異なり、教科書の記載事項の暗記だけでは不十分です。なぜならば、学習目的や関連項目まで意識しながら正しい知識を身に着け、大学入試の場面では知識を利用した上での考察まで求められることもあるからです。

また、覚えるべき事項や難しい考え方も多いので、学校の授業を一度聞いただけで全て理解するのはまず不可能だと言えるでしょう。

予習復習の時間を確保しよう

では予習をしないと、どうなるのでしょうか。ここで手抜きをすると、

  1. 授業を聞いているだけで精一杯になる
  2. 知識の取りこぼしが増えて苦手意識がますます強くなる
  3. 結果的に勉強が嫌いになる

という悪循環を招きますから、予習は必須です。

一方、学んだ知識を定着させるには、復習も同じくらい大切ですから、どちらに力を注ぐか悩むよりも、時間の使い方と勉強法に気を配りましょう。いずれにせよ、少しでも学習時間を確保することからスタートしますので、短時間であっても「勉強する時間」を確保するのが最優先課題です。

なお、教科書だけでの予習は理解のための情報が不十分ですから、目的に合った参考書と問題集を利用しましょう。

自宅以外で勉強するのもおすすめ

高校生の中には、部活などで忙しく自宅での学習時間が確保し辛い人もいるかもしれませんね。そもそも自宅にいる時間が短いのであれば、他の場所で勉強に集中する環境を確保したいものです。

また、部活に力を入れていると、学校の授業と部活をこなすだけで疲れ切ってしまい、自宅に帰ってから寝てしまう学生も多いですよね。それでも予習復習をしないと成績の低下を招くのは明らかですから、学校の休み時間や電車通学の時間など、隙間時間を活用するしかありません。

隙間時間はどうやって利用する?

例えば、電車通学の時間が30分かかるとすれば、その間に教科書の新出英単語を調べたり、和訳の時間に当てることができます。数学の問題も解いてみて、わからない点をメモしておくなどの工夫をすると、授業中に予習での疑問を解決しやすくなるでしょう。

ただし、自転車通学の場合や、通学時間の電車がラッシュ時にぶつかって教科書を開くのさえ難しいなど、隙間時間の勉強法が適さない人もいるかもしれません。この場合は自宅学習を余儀なくされますが、自宅はどうしてもだらけやすくなります。

自宅での学習時は、ストップウォッチを使ってタイムプレッシャーをかけるなど勉強法に一工夫しましょう。

定期テスト対策はどうする?

日頃から予習復習をしっかり行っていれば、長期的なテスト対策を立てなくても十分です。大まかに見積もっても、一週間前から本格的に取り組むだけで大丈夫でしょう。

もっとも、何となく予習復習をするのではなく、解いた問題などにランク付けをしておくと、テスト勉強の際の効率アップに役立ちます。 例えば、日常で学校の宿題に取り組む際に、

  • 教科書を読んだだけで解けた問題→◯
  • 解答解説や参考書を見て理解できる問題→△
  • 参考書を読んでも理解できなかった問題→✕

などマーキングをしておくと、テスト前に復習するべき問題は、△と✕の問題だけ攻略すれば良くなります。効率化することで学習の回転数も上がりますから、より力をつけやすくなりますね。

普段忙しいと、付け焼き刃の知識で定期テストに対応しようとしがちです。ですが、長期的な視点で捉えると大学受験勉強の基礎固めの役割も担っていますから、日常生活の予習復習の中でも大学入試を意識してみましょう。

高校生の家庭学習の時間はどれくらい?

ここで、周りの高校生がどれくらい勉強しているのか、気になる人はいませんか?理想は学年+2時間と言われていますが、まずは実際のデータを見てみましょう。

下記の表は、ベネッセ教育総合研究所のデータを元に作成したものです。

平日の学習時間(分) 平日の宿題時間(分)
偏差値55以上 105.1 64.0
偏差値50以上55未満 60.3 38.9
偏差値45以上50未満 62.0 38.9
偏差値45未満 43.2 32.5

【引用元:ベネッセ教育総合研究所】

この研究結果からは、偏差値55以上と55未満の人では、学習時間に大きな差があることが伺えます。偏差値55レベルの大学では、地方国公立大学や、私立では日本大学や東海大学、専修大学などが該当するでしょう。

もっとも、大学進学を目指す人が少ない層でも、一日あたり1時間半は勉強していますから、赤点を取らないためにも、90分は勉強するべきだと言えます。

各教科ごとの勉強法は?

チェック項目 次に、教科別の学習方法について解説しましょう。

英語

英語は勉強する分野が多岐にわたります。ここで主な学習分野を挙げてみましょう。

  • ライティング
  • リスニング
  • 長文読解
  • 英単語
  • イディオム

どの要素が欠けても、英語力は向上しません。これらをバランス良く学習することが大切です。ただし、一度にやろうとしても負担が大きすぎますから、まずは英語力の基礎である英文法と単語・熟語を完全に押さえることが、英語の偏差値や成績アップにつながります。

また、日頃から大学入試を意識して実力を伸ばしておきたいのが「リスニング」です。センター試験から共通テストに変更後、配点も50点→100点と大幅に増加しているので、早い時期から英語に耳を慣らしておくべきでしょう。

忙しい生活の合間に英語の発音に耳を慣らすには、隙間時間を利用して積極的に洋画や洋楽鑑賞をするのも有効です。また、ライバルとの差がつけやすい英作文は、イディオムと例文を丸暗記し、言い回しのバリエーションを増やしながら文法を使いこなす力も向上させましょう。

数学

数学を勉強する上で第一の優先事項は、教科書の内容を完全に理解することです。教科書に載っている情報を完璧に理解できていないまま問題集に手出しすると、分からない問題だらけになり、数学が嫌いになるリスクもあるでしょう。

さらに、いきなり難問に取り組むのもNGです。問題を解くのに必要な基礎知識が不足していると、解説そのものも理解できない可能性が高いと言えます。

これを回避するには、まずは教科書レベルを完璧にして、定期テストで高得点を確実に取れるようにしましょう。それが完了したら、もうワンランク上の問題集で実力を伸ばすのがおすすめです。

参考書を繰り返す勉強法で定着を

また、数学では自分に合った参考書を一冊選び、それをマスターするまで何度も解くのが実力向上への近道です。数学を勉強する上で、より良い参考書を求めて次々に参考書を渡り歩く人もいますが、一冊をやり遂げるほうが、着実に力が付きます。

特に数学Ⅱの微分積分や数学Aの確率は頻出分野ですから、優先的に取り組むと良いでしょう。

なお、「高校数学の美しい物語」では、二項定理や六分の一公式の解説など高校数学の内容を全て無料で学ぶことができるので、家庭学習にぜひお役立てください。

国語

現代文の力をつけるには、とにかく文章に多く触れるのが大切です。日頃から新聞のコラムなどに慣れ親しみ、評論文で問われそうな言い回しや知識を蓄えておきましょう。

問題を解く際には、「何となく」の感覚ではなく、解答の根拠を人に説明できるような答えを選ぶのが、得点アップの秘訣です。問題を解く際には、接続詞や言い換えに注意して線を引きながら読むと、解答スピードもアップします。

古典・漢文の勉強法

古典の学習では、基本的な単語や文法事項を覚えることを優先しましょう。授業を受ける前に現代語訳などの予習をしておくと、基礎知識を定着させやすくなります。

また、漢文は頻出の句形を覚えて、論語などよく取り上げられる文章を読んでおくと、出題パターンに慣れやすいでしょう。

国語は感覚やセンス次第だと思い込んでいる人もいますが、実際にはある程度出題パターンに沿った問題が出題されます。努力次第で十分得意科目にできますから、正しい学習方法を身につけましょう。

理科

生物・物理

生物は用語や仕組みなど、暗記するべき知識量が多い科目です。したがって、まずは用語を頭に叩き込み、それから知識を整理していくと良いでしょう。

物理は計算を中心とした問題が出題されますから、ひたすら暗記しようとするよりも、ざっくりと基礎知識を確認したら問題演習を通して公式の使い方などを定着させていくのがおすすめです。

物理を得意にしたい方は、理論物理を網羅的に学べる「高校生から味わう理論物理入門」もぜひ活用してください。

化学・地学

化学は計算と暗記のバランスが良い科目と言われています。理論化学の知識を確実に身につけてから、各単元の知識と計算方法をマスターしていきましょう。また、実験内容の問題も頻出事項なので、授業中の実験は真剣に取り組むようにしたいものです。

地学は理系学部の二次試験で選択できる学部・学科はわずかなので、一般的な理系学部を目指す人には不向きでしょう。ですが、難易度としては簡単であり、頑張れば1~2カ月でマスターできるので、文系の共通テストや一部の理系学部を目指す人には、「地学基礎」をおすすめします。

どの科目も、問題集などを活用して十分な量の演習を積むことが大切です。

社会

歴史では「つながり」や「なぜ」というような出来事同士の関連性を考えるほうが、覚えやすいです。また、時間や特定の地域の縦軸と、同年代の他地域や文化的背景などの横軸を関連付けて覚えると、テーマ史のような横断問題で得点を伸ばしやすくなります。

例えば、1600年前後という年号に焦点を当てると、

  1. 日本:豊臣秀吉による朝鮮出兵(1592年文禄の役、1598年慶長の役)
  2. 中国:豊臣秀吉の出兵による李氏朝鮮の救援、国力弱体化
  3. ヨーロッパ諸国:イギリスやオランダなど新興勢力の台頭、スペインの弱体化

というように、一見バラバラの事象でも、背景に宗教改革などのテーマが隠れていることに気づくと、横断的な見方ができるようになります。

このように、どの時代で何が重要なのか、相互にどのような影響を与えたのかを意識して学習しましょう

地理の学習で習慣づけたいのは、必ず地図帳を手元に置いて学習することです。知らない地名や国名が出てきたら、必ず地図帳で確認しましょう。また、興味を持つには「その国を訪れるとしたら」と想像力を働かせてみるのもおすすめです。

実業系学科の高校生も家庭学習を

電卓 ところで、「自分は実業系の学校だから、勉強しなくても大丈夫」と考えている人はいませんか?実業系の高校では卒業後の進路として就職を選ぶ人が多いため、「勉強しなくてもいい」と考えている人もいるかもしれません。

ですが、これは大きな誤りです。例えば商業高校の場合は、簿記や情報処理など、普通科の科目とは異なる勉強の仕方を学びます。中には特定の資格取得や検定合格が進級の要件になっている場合もありますから、普通科の人とは勉強の仕方が若干異なっていても、自宅学習は必須です。

また、近年は実業系高校から四年制大学へ進学する人もいます。この場合は、大学側が実業系高校で取得できる知識に注目して、指定校推薦枠を利用するケースが大半です。

例えば、埼玉県立浦和商業高校の場合、駒澤大学や日本大学への合格が報告されています。どちらの大学も商業高校の推薦事由として

  • 評定平均:4.0以上
  • 全商簿記1級合格もしくは日商簿記2級以上の合格

など、普段の学校での成績や資格が推薦要件になっています。卒業後の進路選択の枠を広げるならば、実業系の高校生であっても家庭学習に力を入れましょう。

高校生の家庭学習におすすめの教材は?

サムアップ

ここで、高校生の家庭学習におすすめの教材をご案内しましょう。

進研ゼミ高校講座

進研ゼミは高校生利用者数がナンバーワンの実績を誇り、基礎学習から応用まで幅広く学習できます。高校生になるとスマホを本格的に利用する人も多いですが、

  • 通学の合間に5分で予習復習
  • 帰宅後にテキストを利用して15分で問題演習を行う

など、無理のない学習カリキュラムが組まれています。

また、塾や予備校よりもかなり費用が安く済むので、私大の指定校推薦などを狙っている人にもおすすめです。

進研ゼミ高校講座についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

Z会

Z会は、予備校と変わらない良質の教材が用意されており、サポート体制も充実していることが特徴です。塾に通っている人であっても、1教科からの受講が可能など他の学習の仕方と組み合わせやすく、自分の希望に合わせた受講スタイルが貫きやすいと言えるでしょう。

また、費用も進研ゼミ高校講座と同程度であり、塾や予備校よりもかなり割安です。勉強の仕方が分からない人や、地方在住で近くに実績のある予備校や塾はないけれど、難関大学を目指したい人にもぴったりだと言えます。

スタディサプリ高校講座

スタディサプリ高校講座は、何と言っても費用が安く手軽に利用できるのが魅力です。12カ月一括払いの場合、一科目につき1,815円(税込)から利用できますから、全科目受講したとしても負担が少ないでしょう。

講義を担当しているカリスマ講師は、大手予備校で実際に教鞭を取っていた講師が担当しており、わかりやすさで大人気の講師も多数在籍しています。

サポート体制が乏しいのがやや難点だと言えますが、自宅学習教材・補助教材としては十分な役割を果たしてくれるでしょう。

高校生の家庭学習の仕方まとめ

高校生の家庭学習まとめ

  • 高校生では最低1時間半は家庭学習をするべき
  • 定期テストに向けた日頃の学習の経験が、受験勉強にも生かされる
  • 通信講座を利用して、忙しい人も効率良く勉強しよう

「勉強しなければ」と頭では理解していても、正しい勉強の仕方が分からなかったり、周りが「勉強していないけれど、大丈夫だった」と言うのを聞いたりしていると、自分に甘くなりがちです。

ですがその言葉を聞いて実際に勉強しないと、赤点や成績下降などのリスクがあるのは、容易に想像できるでしょう。

「どうやったら効率良く学習できるのかわからない」という方がいらっしゃるのならば、まずは通信講座の受講を検討してみましょう。どの講座も積極的に悩み相談に応じてくれますから、気軽に問い合わせてくださいね!