小学生への国語の教え方は?文章問題の読み方から苦手克服のコツまで徹底解説!
「小学生に国語を教えるにはどうしたら良い?」
「文章題の克服方法を知りたい!」
このようにお考えの方も多いのではないでしょうか?
小学生の国語は、色々な勉強の土台になる大切なものです。特に文章問題でつまずく子供は多いため、多くの親御さんにとって悩ましいですよね。
そこでこの記事では小学生への国語の教え方を中心に、文章問題の読み方のコツ、苦手分野の克服法まで、役立つ情報を網羅しました。
お子さんの家庭学習の際などにぜひ活用してください。
小学生への国語の教え方についてざっくり説明すると
- 小学生の国語は、まずは句読点など基本的なところから教えてあげると良い
- 読解力を上げるには音読の練習から始めるのが有効
- 漢字練習やことわざの勉強も、文章の理解力を上げるためには必要
- 読書も重要だが、月に一冊で十分
小学生の国語の教え方は?
まずは小学生への国語の教え方について、基本的な部分を解説します。
国語は教えるのが難しい?
「国語」という科目は、どうしても教えにくいイメージがありますよね。
普段使っている言葉についてわざわざ勉強するというのもそうですし、読解問題は毎回文章が違うため、解くための方法が限定できないのも厄介です。
しかいそういった深い内容よりも、まず考えたいことがあります。
それは、「子供は案外、単純なミスによる失点をすることが多い」ということです。例えば句読点の打ち間違いやつけ忘れ、ひらがなの書き間違い、文章の読み間違いなどです。
そういった最低限の部分をおさえておくだけでも、国語の点数はある程度上がるでしょう。特に漢字やひらがなを正確に書けるようになると、書き間違いによる失点はかなり減るでしょう。
国語の克服方法は存在する!
国語は算数や理科と違って、問題と答えの組み合わせが毎回全く異なることが多いです。
例えば、理科のテストなら「水は温度が下がると氷になる」ということを覚えれば、同じ問題が出た時に必ず答えることができます。 しかし国語の場合は、「主人公の気持ちを考えましょう」いう問題が出た場合、毎回答えが違いますよね。こうした部分には子供だけでなく大人も戸惑うことが多いものです。
しかし、国語の克服方法は存在します。一瞬で成績が伸びるというわけではありませんが、確実に学力を上げる方法はあります。
詳しくは、次の段落以降でご紹介していきます。
国語の苦手をなくす教え方は?
子供が国語に苦手意識を持ってしまった場合は、以下のような点に着目して勉強してみてください。
問題文と答え方のルールを学ぶ
子供が国語のテストを持って帰ってきたら、間違っている問題が「どうして間違っているのか」をチェックしてあげてください。
その上で、子供がどのようなことに気を付けたら良いかをアドバイスしましょう。
例えば「○○文字で抜き出しなさい」という問題では、一字一句間違えずに指定の文字数で抜き出す必要があります。文字数が違っていたり、書き写す時に間違えている場合は、その点に注意すれば次からはうまく答えられるでしょう。
また、理由を聞かれている問題では「~だから。」という答え方をする必要があります。他にも「~こと」という答え方を指定されたら、必ずその通りの語尾で答えなくてはなりません。
こうした「答え方のルール」を正確に理解できれば、その分点数アップにつながっていきます。
ルールを教える際は口頭ではなく、まずは親御さんがお手本を見せたり、子供が解いているところに寄り添ってしっかり指導してあげてください。
文章中に答えがあることもある?
小学生の国語の問題は「文章の中に答えがある」場合が多いです。これは他の科目にはない特徴ですね。
ただしこれは「言葉を抜き出す」という性質の問題に限ったことです。
言葉を抜き出す問題以外では、想像力やイメージ力を使って答えを導かなくてはならない場合も多いです。全ての答えが文章中にあるわけではありませんので、その点は注意してください。
漢字・語彙を落とさない
文章読解の問題であっても、漢字の書き間違いは減点になります。
漢字や言葉については国語だけでなく他の科目でも重要なものですので、もし漢字や語彙力の部分でのミスがあるようでしたら、その都度きちんと復習していきましょう。
基礎的なミスで「国語が苦手」と思い込んでしまうのはもったいないですので、親御さんも一緒に勉強してあげてください。
字は綺麗に書くことが目的じゃない
小学生の場合、字が綺麗ではないことに悩む親御さんもいるかもしれませんが、あまり気にしなくても大丈夫です。
小学生の字については丁寧さが重視されます。多少字が下手でも、誰でも読めるように丁寧に書いてあれば問題ありません。
あまりにも字を綺麗に書くことに集中させてしまうと、文章の内容に気持ちが向かなくなってしまいます。
字について指摘し過ぎると子供のやる気が削がれてしまいますので、ほどほどにしておくことをおすすめします。
文章は考えながら読む
文章はぜひ、考えながら読む習慣をつけましょう。
考えずにただ字面を追うだけという読み方は、文章を「眺めている」のと同じです。
文中の情景を想像したり、状況を整理ながら読み進めることで、自分も物語の中に入っていくことができます。文章中の出来事に「どうしてだろう?」とツッコミを入れられるようになれば、文章の理解力が上がってきた証拠です。
客観的な視点を常に持とう
文章問題の世界観を理解することは必要ですが、あまりにも没入してしまうと逆に回答ができなくなる場合があります。
例えば小説文の場合、「主人公はなぜこう思ったのでしょうか。」という問題に対して「自分だったらこうです。」と答えてしまう子供もいます。
しかし国語のテストでは、あくまでも物語の主人公の気持ちを客観的に考えなくてはなりません。
こういう場合はどう答えれば良いのか、客観的な視点についても、子供と話し合いながら教えていきましょう。
文章問題ができるようになるための勉強法3選
ここでは、小学生が文章問題を自分で解けるようになるための勉強法をご紹介します。
音読は読解力を伸ばす方法の一つ
小学生に国語力をつけてもらうためには、音読が有効です。特に読解力を伸ばすためにはかなり効果があるでしょう。
はじめは上手に音読できないと思います。単語ごとに区切って読んでしまうなど、途切れとぎれになる場合が多いでしょう。この場合、まずは単語ではなく文章ごとに一気に読めるように練習させてあげてください。
「、」ではなく「。」で区切る音読方法を教えてあげると、文章ごとに頭に入ってくるようになります。一度コツをつかめば、どんどん読み進められるようになるでしょう。
小学生の国語のテストは、学校の授業で習った文章が出ることが多いです。まずは教科書の内容をなめらかに読めるようになるまで、練習してみてください。
音読効果は研究でも実証
音読が国語力アップに効果的なのは、研究でもある程度実証されています。
愛知教育大学の教育創造開発機構で「音読の学習効果」について検証したところ、音読は文章の内容理解に効果があることが確認できています。
100%の効果があるとは断定できないものの、黙読に比べると優位である可能性が非常に高いということです。
また、小学生向けの学習塾で有名な「KUMON」でも、読解力の向上のために音読を重要視しています。音読をすると黙読のスピードも上がるということで、教室でも積極的に音読教育が取り入れられています。
語彙力をあげる方法
国語の文章問題を解くためには、語彙力も大切です。
語彙力がないと文章の中に出てきた単語の意味がわからず、文章全体の意味を捉えることができなくなります。
同じような現象は英語の文章題でも起きますが、英語の場合は英単語自体を知らないことが原因ですよね。
しかし日本語の場合は、多くの言葉を子供は「知って」います。わからないのは意味だけであり、言葉自体は知っている(聞いたことがある)となると、その言葉に出会っても深く考えず、スルーしてしまうことが多くなります。
無意識に読み飛ばしてしまうことで、結果的に文章の意味がよくわからないというのは、国語の文章題ではありがちなケースです。
漢字練習を怠らないことが大切
語彙力をつけるためには、ぜひ漢字の練習をしっかりやりましょう。
遠回りに思えるかもしれませんが、漢字は日本語を構成する土台です。単語の意味がわからなくても、知っている漢字が入っていれば、熟語の意味を推測しやすくなります。
熟語だけでなく言葉や文章全体でも同じことが言えます。漢字の意味を知ることは読解力の向上にかなり意義があると言えるでしょう。
ことわざ・四字熟語も覚えよう
語彙力をつけるためには、「ことわざ」や「四字熟語」の意味を知ることも大切です。
文章の読解に役立つだけでなく、「ことわざの意味を答える」というような問題が出た時にも得点につながりますから、やっておいて損はありません。
ことわざや四字熟語の背景には色々な物語があることも多いです。言葉の成立の仕方から学習することで、国語的な感性も養われていくことでしょう。
生涯役立つ読解力・思考力のトレーニング
読解力や思考力を養うためには、具体的にどのようなことをすれば良いのでしょうか。
読書は月1でも有効
読解力や思考力を養うために最も有効なのが「読書」です。語彙力を増やすことができるだけでなく、知識を吸収するのにも非常に効果があります。
今は電子書籍もありますが、小学生の読書には紙の本をおすすめします。紙の本のほうがページをめくるだけで知りたい情報にたどり着くことができますので、手触りから脳を刺激することもできるでしょう。
お子さんに読書をさせる場合、「月に○冊」というような目標を掲げたくなるかもしれません。しかしあまり高い目標を設定しても、そこに向かって頑張れる子とそうでない子がいますよね。
実は、読書は「月に一冊」だけでも効果があると言われています。あまり高望みしなくて大丈夫ですので、楽しめる範囲で読書をさせてあげてください。
読書効果のデータも存在する
読書の効果については「ベネッセ教育総合研究所」の研究結果が注目されています。
こちらの研究では、「月に一冊以上の読書をする子供は、一冊も読まない子供と比べると読解力がかなり高い」ことが実証されています。
その一方、「月に1~3冊の本を読む子供」と「4冊以上読む子供」では、読解力にそれほど大きな差は見られませんでした。
この結果が示すことは「読書量が多ければ良いというわけではない」ということです。やみくもに大量の読書を行うよりは、月に1~3冊程度で構わないので、継続して読書を行ったほうが良いでしょう。
低学年のうちは漫画でもOK
国語力を高めるには、文章のみの本を読むことが最も有効ではあります。しかし小学校低学年にとって、文字ばかりの本はあまり興味が持てないものですよね。
この場合は、「本」ではなく「漫画」でも構いません。
東北大学大学院の研究では、漫画の読解力と文章の読解力には相関関係があることが実証されています。漫画を読むことでも、ある程度は読書に近い効果が得られると考えられます。
漫画のジャンルとしては「コロコロコミック」や「少年ジャンプ」など、子供向けの雑誌に連載されている漫画がおすすめです。伝記や実験など、元から教材として作られた漫画でも良いでしょう。
漫画は奇想天外な内容のものも多いので、子供の想像力を養うにはもってこいと言えます。
作文・文章を書く練習をする
読解力や思考力を養うためには、作文や短い文章を書くことも効果があります。
文章を書く時は、どうしてそう思った(考えた)のか、結果としてどういった結論に至ったかなどを、相手にわかるように書く必要があります。
状況を説明するための言葉を「持っている語彙」の中から選ばなくてはなりませんから、確実に脳が鍛えられます。単純な文章を書くだけでも、思考力はかなり上がることでしょう。
「文章を書く」ことにある程度慣れてきたら、少し長めの「作文」に挑戦してみましょう。長文のほうが色々な要素が含まれているため、論理的な思考力を含めて、さまざまな力を鍛えることができます。
学校教材以外で勉強するなら
国語力を養うために学校の教材では物足りないと感じたら、別の教材も色々試してみると良いでしょう。
おすすめの教材をご紹介します。
学校の予習なら塾でも可能
学校の予習をしたい場合は、塾を検討しても良いでしょう。塾は予習や復習のエキスパートですから、国語だけでなく全ての科目において、学校の予習を行うことができます。
ただし塾に通うとしても、週に1時間程度ですと国語力をあげるためのトレーニング効果はそこまで期待できません。
学校の勉強の先取りはできますが、読解力を大きく上げたい場合は、家での継続的な読書や音読など、別の方法を取ったほうが良いでしょう。
学校の予習や復習を家でできているうちは、無理に塾に通わなくても大丈夫と言えます。
低学年・中学年へのおすすめ問題集
小学校低学年や中学年の国語の学習には、こちらの問題集がおすすめです。
- 「うんこ夏休みドリル 小学1年生」 文響社 ¥1,078
親御さんにとってはかなり衝撃的なタイトルだと思いますが、こちらのテキストは子供には非常に好評で、全国書店で売り切れが続出し、発売して即重版がかかったという大ヒット商品です。
子供は「うんこ」という言葉が大好きですよね。「うんこ」を象ったキャラクターも非常に人気があります。ギャグマンガを読んでいるような気持ちで国語の学習ができるため、いつの間にか国語力がついていると大好評です。
なお「うんこ夏休みドリル」は、1年生だけでなく学年ごとにあります。国語だけでなく算数も入っていますので、算数を同時に勉強したい方にもおすすめです。
- 「国語の力がグングン伸びる1分間速音読ドリル」 致知出版社 ¥1,344
こちらのドリルは、音読に特化した構成になっているのが大きな特徴です。
「走れメロス」など小学生に馴染みのある文章が、音読を意識した内容に再構成されています。
通常の文章は、改行のしかたや文字の表記など、音読するには面倒な内容も多いですよね。そこにちょっとした工夫を加えるだけで、子供にとって「音読したい!」と思わせることに成功したドリルです。
どちらも多くの子供たちが「勉強が楽しくなった」という感想を寄せています。一度試してみてはいかがでしょうか。
【5・6年生】高学年に人気の問題集は?
小学校5、6年生には、こちらの問題集がおすすめです。
-「 小学全漢字おぼえるカード」 学研プラス ¥1,980
こちらはいわゆる「単語カード」です。購入時は冊子形式になっていますが、各自切り取って単語帳に構成する作業が必要です。
最初は少し面倒ですが、単語カードとしてかなり優秀な構成になっており、めくりながら勉強するだけでどんどん漢字を覚えることができると非常に好評です。
高学年の時期だからこそ、苦手な単語を克服して中学校に備えてください。
- 「科学事件ファイル 小学4~6年」 学研プラス ¥825
こちらは問題集というよりも、「読書」としておすすめの本です。
小学生でもわかる科学的な内容が、非常に魅力的なストーリーで構成されています。推理小説のような内容ですので、読解力だけでなく科学的な思考力もつくと評判です。
ストーリーを理解するためにじっくり読み込む必要があるため、知らないうちに読解力が上がっていくことでしょう。楽しく学習するには最適の教材です。
通信教育で一生使える国語力を
子どもの国語教育にお悩みの方は、通信教育を利用するのも良いでしょう。
添削指導つきの通信教育を利用することで、読み方のポイントや上手な作文の作り方を丁寧に指導してもらうことができます。
読解力や作文力は論理的思考の土台となる極めて大切な力です。ぜひこの機会に国語力の底上げのために通信教育を検討してみてはいかがでしょうか。
おすすめの通信教育については以下の記事で紹介しています。
小学生への国語の教え方まとめ
小学生への国語の教え方まとめ
- 句読点の意味や漢字練習、ことわざの勉強など、基本的な学習が国語力の土台になる
- 読書をすると読解力がかなり上がるが、月に一冊ずつ読めば十分
- 文章のみの本の読書が難しい年齢の子供は、漫画でもOK
- 良い問題集も色々と販売されているので、楽しく勉強できるものを選んであげよう
小学生の国語の勉強を子供に教える時、親御さんとしては「失敗したらどうしよう」などと不安に思うかもしれません。
しかしあまり深く考えなくても大丈夫です。まずは、楽しいと思える本やドリルを一緒に読んだり解いたりすることから始めてみましょう。
国語に限らず、勉強は楽しく続けることが最も重要です。ぜひ、面白い教材や通信教育を利用しながら、一生涯役立つ国語力を養ってあげてください。