【解答速報】2021共通テスト英語は大難化?模範解答や設問ごとの分析を徹底解説!
更新
2021年 共通テスト「英語」の試験データ
項目 | データ |
---|---|
実施年月日 | 2021年1月16日 |
実施日時 | 【リーディング】15:10~16:30 |
試験時間 | 【リーディング】80分 |
大問数 | 変化なし |
設問数 | 減少(-8) |
マーク数 | 減少(-7) |
難易度 | 難化 |
大問数・設問数・マーク数は上記のように変化しました。
難易度は、センター試験に比べると全体として難化しており、出題形式もセンター試験や試行調査から大きく変化しました。
平均点については、2021年1月20日(水)に大学入試センターのホームページにて公開される予定です。
2021年 共通テスト「英語」試験の口コミ・感想
総評
上のように相次いで難化したという声が上がっていました。詳しくは「設問ごとの難易度と重要問題を分析」という見出しで詳しく解説していきます。
またそれだけでなく、英語のあり方に苦言を呈してる方もいらっしゃいました。
第1問
例年おなじみであったアクセント・発音問題、文法・語法問題などが完全に消されており、序盤から読解問題の出題となりました。
上の受験生のツイートにも見られるように分量の多さにびっくりされた方も多いのではないでしょうか。
第2問
第2問に関しては上の口コミのように難しいの他に紛らわしい問題だったという意見が目立ちました。 具体的な難しさ、紛らわしさについては「設問ごとの難易度と重要問題を分析」の見出しで詳しく解説していきます。
第3問
第3問については上のように英語のテストで計算問題が出てる事に面食らった受験生も多いのではないでしょうか。
第4問
第4問は差がつく問題として捉える方が多かったようです。
第5問
第5問では上のように偉人だと思って読み進めていたら牛だとわかり面食らった受験生が散見されました。
また、上記のように5個の選択肢のうち4個を選んで並び替えるという出題形式であったたものの、5個を並び替えて答えてしまいマークミスをしてしまった受験生が多いようです。
第6問
上のように馴染みのない方はかなり難しく感じる内容だったでしょう。
設問ごとの難易度と重要問題を分析
総評
センター試験や試行調査と完全に傾向が変わり非常に難易度の高い出題となりました。多くの受験生が難しいと感じるであろう理由は以下のようなものです。
- 量が多い(文章が2800語から4200語へと変化)
- 照らし合わさなければならない箇所が多く一回の流し読みで答えると危険(第4問 問1など)
- 細かいところを聞いてくる問題が多い(第2問(B)問2 問4など)
来年度以降もこのような出題がされると考えると、現在高校2年生、高校1年生の方は今まで以上に気を引き締めて英語学習に取り組むことが重要と言えるでしょう。
第1問
第1問(A)は2人のショートメールのやりとりの内容読解問題、(B)はwebサイトの内容読解問題でした。
いずれも問われている内容は細かいものではなく文章の大筋が理解できていれば簡単に解ける問題でした。
本年度の共通テストのボリュームがかなり多かったことから、第1問はいかに早く正確に解けるかというところがポイントであると言えるでしょう。
「at the end of your 1st year」が「after being a fan club member for one year」と言い換えられている他、多数の言い換え表現を探して答えにたどり着く問題が多いので言い換えを意識しながら読むと多少早く解けるのではないでしょうか。
日東駒専からMARCHを目指す受験生は10分程度、旧帝大、医学部、早慶などの難関校を目指す受験生ならできれば5分以内、長くても7分以内には解き切りたい問題です。
第2問
第2問(A)はバンド対抗戦におけるデータとコメントの読み取り問題、(B)は電子メールの読み取り問題でした。
第2問(A)は見かけ以上に難易度が高く注意が必要です。特に問1はtotalの項目が3組とも同点だったことから困惑してしまった受験生も多いのではないでしょうか。 終盤のMr.Hobbsの講評に答えがありますがかなり探しにくいです。
表に答えがないから絶対にコメントや講評に答えがあるはずと考えて斜め読みしてスムーズに答えにたどり着けると良いでしょう。
第2問(B)は放課後のクラブ活動の時間に関する電子メールの読み取り問題です。文章自体は読みやすいものの意外と注意が必要な問題です。
問2、問4のように「fact」が強調されている問題はかなりややこしく注意が必要です。 本文に記載があるものの誰かの意見(opinion)であり、事実(fact)ではない選択肢を間違って選ばないように注意しましょう。
第3問
第3問(A)はどこのホテルに泊まるのかの助言についてのウェブサイトの読み取り問題、第3問(B)はボランティアに関する募集記事のような声明(newsletter)の読み取りです。
第3問(A)は照らし合わさないとならない条件が多すぎるので消去法ではなく、ここだと決めてかかり答えを探しましょう。
歩く方がバスより早く着くという常識と少しずれた事実が答えになりますが、読み取った条件が絶対なのでその内容に合致する選択肢を選びましょう。
第3問(B)は比較的難易度は低めですが、言い換え表現に少し注意が必要です。問3は少し難しいですが、本文中ではcontactがemail(動詞)と言い換えられることに気づくとすぐ答えられるでしょう。
言い換え表現に素早く対応するためには英語を日本語に直して読むのではなくぼんやりイラストや図などのイメージとして頭に浮かべてから選択肢を読むと良いでしょう。
第4問
2人の電子メールのやりとり書かれた条件を読み取る問題でした。文章が長いだけでなく図も読み取らなくてはならず非常にボリュームのある大問です。おそらく一番時間のかかる設問と言えるでしょう。
問1から難易度が高いです。最初の文と図を照らし合わせるだけでなく二つの文章を図の3つを見て考えなくてはならない問題であり、戸惑った受験生も多いのではないでしょうか。
どこに何が書いてあったか忘れてしまうと長文全てを読み直す必要があり、時間が足りなくなってしまうので軽くメモしながら読み進めると良いでしょう。
第5問
第5問は、主人公の女性と牛・馬との関係を描いた小説的文章で、登場人物(動物)の整理や場面設定の順番についてプレゼンテーションでの発表を想定して整理させるという新傾向の出題がみられました。
登場する動物の関係を整理させたり、ストーリーラインをまとめさせたりするような問題は、センター試験時代の英語ではほとんど出題されてこなかったため、戸惑った受験生も多いのではないでしょうか。
今回の傾向から考えるに、小説問題に関して言えば来年度以降の基本的な対策方針は「人物関係に注視する」「感情表現に着目して読む」などセンター試験第5問と変わりません。
ただ、来年度以降は特に登場人物同士の関係やストーリーの流れを理解した上で、発表や講演を想定してまとめるというような問題の出題が予想されるため、予想問題集などを使ってパターンに慣れておくことが必要になってくるでしょう。
第6問
第6問(A)は「アイスホッケーの安全性」に関する文章を読んだ上で、文章の構造整理をさせる新しい問題でした。「concussion」という単語が「脳震盪」を意味していることがわからないとなかなか読み進めにくい文章だったのではないでしょうか。
また、構造把握にはパラグラフリーディングの経験が必須であるため、普段から段落ごとの関係性に着目して英文を読んでいる受験生には有利な問題だったと思われます。
第6問(B)は、人工甘味料と健康についての説明文で、文章自体は長くないものの専門用語が多いためその説明箇所をいかに早く対応づけられるかが試される内容でした。
設問自体はセンター試験の内容と変わらず、文章の内容に関する正誤判定が中心ですので、問題文を先に読んで対応箇所を見つけられるとスムーズに解くことができるはずです。
次年度以降の共通テストでは、構造整理など今回新しく出題された設問形式が引き続き出題されるとみられており、普段の演習から段落や文章どうしの関連性を見極めながら読み進める訓練をすることが大切になるでしょう。
総評と今後の対策
ここからは来年度以降の受験生や追試験などを受験する方に向けて、共通テストのリーディングの対策について解説していきます。
速読力をつけよう
今回が初めての実施となる共通テスト英語は、センター試験と比べて文章を読む量が格段に増加し、2800語から4200語と1.5倍になりました。
受験生の中には「解き終わらなかった」「英語は量が多くてとにかくダメだった」などとSNSで発言している方もおり、試験会場という緊張状態の中で苦戦したことがみてとれます。
共通テストの基本的な方針として、センター試験にあったような「発音・アクセント」「文法問題」を廃止し、どの設問でも文章を読んで回答することになっています。
そのため、来年度以降もこの分量の出題は継続するとみられており、「素早く」「正確に」英語長文を読み下す訓練が今まで以上に大切になってくることでしょう。
文章のパラグラフリーディングを身に付けよう
共通テスト英語で目新しかった設問として、「文章の構造整理をさせる」という設問があります。
段落同士の関係を把握した上で物語や論旨の展開を穴埋め形式で問うような問題は、今まででは多く出題されておらず、普段から段落間の関係に着目していなかった受験生には歯が立たなかったかもしれません。
文章の構造整理には、段落ごとに内容を要約した上で、文章全体でその段落のもつ役割や段落同士の因果関係・関連性などを矢印を用いて整理していくというパラグラフリーディングが有効です。
パラグラフリーディングは、一般的な長文の演習参考書などで取り扱われているレーマなので是非チェックしてみてください。
イギリス英語にも慣れよう
今回の共通テストではイギリス英語の綴りが多く出題されました。具体的には以下のような表現です。
- Ms. ○○→ Ms ○○(「.」が無い)
- realize → realise
- subway → underground (地下鉄)
- center → centre
見慣れてない方は必要以上に戸惑ってしまったのではないでしょうか。
共通テストでは「現在国際的に広く使用されているアメリカ英語に加えて、場面設定によってイギリス英語を使用することもある。」と公表されていましたが、その言葉通り出題される形となりました。
今後も出題される可能性が高いので現在高校2年生、高校1年生の方はイギリス英語のスペルもチェックしておくと良いでしょう。
共通テスト対策にはセンター試験が有効
今回の共通テストは、目新しい問題も集まる一方で、大問4~6の設問のは従来と変わらない形式・難易度でした。
例えば、大問4のemail問題や大問6のBの甘味料に関する説明文などは、センター試験の過去問と非常に類似性の高い問題設定となっています。
もちろんこの傾向が続くとは言い切れませんが、センター試験の過去問の特に長文問題をたくさん解くことが共通テストの基本的な勉強方針となりうると言えるでしょう。
来年度以降に共通テストをうける受験生の方へ
来年度以降に共通テストを受ける場合、一番気になるのが「傾向が変わるのか」ということでしょう。
実はセンター試験が開始した時も、開始後の数年間は傾向がぶれてしまっており、対策がしにくい状況でした。
そんな中で受験生に必要な行動が「情報収集を徹底する」と「演習を重ねる」の2点です。
独学で無闇に演習を重ねるのでは非常に難しい状況と言えるでしょう。
共通テストでは、この先どのような傾向の問題が出てもおかしくないわけですから、大学入試センターの発信する情報はもちろん、予備校各社の出す分析や学校の先生の講評などをしっかり聞いて自分なりに分析を重ねていくことが大切です。
また、本番どのような問題が出てきても解けるように、普段から様々なパターンの問題に取り組んでおくこともおすすめします。
予備校の出版する予想問題集や通信教育で受講することができる「共通テスト対策講座」などを利用することで、多様な問題に触れ、過去問や試行調査と全く異なる問題傾向での出題があっても対処できるような訓練を積むことができるはずです。
共通テスト英語対策は通信教育や予備校がオススメ
共通テスト英語の対策でおすすめしたいのが通信教育や予備校に通って対策を行うことです。
試験傾向の分析はもちろん、試験に必要な能力など、独学では手に入れることが難しい情報を効率よく収集したうえで、共通テスト英語対策を進められます。
また、豊富な演習量も確保されており、丁寧な解説とセットで「演習→フィードバック」の学習サイクルを繰り返していくことで、おのずと実力は引きあがるでしょう。
以下の記事では、通信教育・予備校各社の特徴について詳しく解説しているので、こちらも併せてご覧ください。