大学入試共通テストの対策はいつからやるべき?各教科の出題傾向や試験直前の勉強法を解説

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「大学入学共通テストの対策っていつからやればいいの?」

「共通テスト以外の対策もしなきゃいけない・・・」

「各教科の出題傾向は?試験直前にはどんな勉強をすべき?」

などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。

2021年からはセンター試験に代わって大学入学共通テストが導入されます。

センター試験とは各教科・各科目の出題内容や問題形式が変化するので、共通テストに特化したより良い対策が必要です。

そこで今回は東大生である筆者が、共通テストをいつから始めるのが最適かといったことや大学入学共通テストの対策法を紹介します。

各教科の出題傾向や試験直前期の勉強法についても解説するので参考にしてください。

これを読めば、万全の状態で共通テスト対策に臨むことができるでしょう。

大学入学共通テストの対策についてざっくり説明すると

  • 情報収集と新傾向問題の対策を入念に
  • 数学と英語は過去問をしない方が良い
  • リスニング対策は入念に

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共通テストの対策はいつから行うべき?

ノートに何かを書いている画像

共通テスト対策は、いつから始めるのが良いのでしょうか?

ここからは上記で解説したような共通テスト対策の勉強法を、どの時期から始めれば良いのかということについて解説します。

11月からで間に合う!

結論から述べると、共通テストの対策は11月から行えば十分です。

受験生はこの時期には、志望大学の過去問対策や演習など共通テスト以外にも対策すべきことが山ほど存在します。

受験生は夏までに基礎的な内容をできるようにし、秋ころから応用的な問題や演習の対策に時間をかけ、冬にかけて共通テスト対策を行うというのが理想の流れです。

共通テストは新傾向の問題であるとは言え、基礎的なことを問う問題が多数です。そこに時間をかけるのではなく、9月10月はむしろ合格・不合格を決めるような本番形式の問題に慣れるような練習をすることに時間を割くべきであると言えるでしょう。

とは言え、共通テスト対策が11月からで本当に間に合うのか不安に感じている人もいるでしょう。

そこで、以下で学年別に共通テストの対策をするまでに必要な準備・スケジュールについて紹介していきます。

高校1・2年生は全教科満遍なく勉強する

高1、高2のうちは、あまり意気込みすぎず、学校や塾の勉強で、全部の教科を満遍なく学習するのがおすすめです。

共通テストでは理系の学生でも文系科目を、文系の学生でも理系科目を受験しなければならず、特に国公立志望の場合は科目数が多くなります。

そのため、高1、高2では大学入試で受験する可能性のある全ての科目を、バランスよく勉強しておくべきです。

たとえ勉強した内容を高3までに忘れてしまったとしても、一度学習しているのと初めて知識を詰め込むのでは、前者の方がかなり楽なので、この時期の勉強が後々になって効いてきます

高3春は国立2次試験や私大の一般入試対策を

共通テストの難易度や出題傾向を考えると、センター試験よりもむしろ二次試験に近いと言えます。

そのため、従来的に「センターまではセンターの勉強に集中」というような勉強スタイルではなく、今後は最初から共通テストと二次試験を一緒くたにして勉強していくのが良いでしょう。

具体的には数学の青チャートに代表されるような網羅系問題集をやり込んで解法パターンを体得したり、教科書に載っている発展的なトピックを学習したりするのがおすすめです。

高3夏は共通テスト予想問題や試行調査を活用

2020年1月12日現在は、試行調査の問題が共通テストに関する最良の過去問だと言えるので、共通テストの出題傾向や問題形式を把握するためにも、試行調査は積極的に活用すべきです。

なお、高3の夏の時点で試行調査の点数が低くても、落ち込む必要はありません。この時点では、共通テストの傾向を把握し、以後にやるべき勉強を考えるきっかけにできれば十分です。

国公立志望の方は、この時期から2次試験では使わない科目(共通テストのみで必要となる科目)の基礎固めに入り受験直前には、2次試験対策に集中できるようにしておくことも良いでしょう。

高3秋は共通テスト形式の模試を受けてみる

夏に試行調査で共通テストの傾向・形式に慣れ、秋になったら共通テスト対策を本格的に始めていきましょう。

共通テストの模擬試験ではどのくらいの点数が取れるのかを確かめ、志望大学に必要な点数とのギャップを把握することが重要です。

なお、模試は先述した通り、駿台や河合塾、東進などの規模の大きいものを選ぶのが良いでしょう。

また共通テスト本番に近い雰囲気で問題を解く中で、解答の順番や時間配分、余白への計算などの所作を最適化していくことも大切です。

さらに国公立志望の方は、秋の時点から2次試験で使わない科目の本格的な演習を始めるべきです。

直前期は予想問題を徹底的に演習

試験直前期には、各予備校が出版している予想問題集でひたすら演習を行い、最後の仕上げを行うのが良いでしょう。

復習の際はよくやる計算ミスや読み間違いなど、自分のケアレスミスの傾向を分析し、当日それで失敗しないようにするための対策を立てるべきです。

また通常よりも短い時間設定で問題を解くのもおすすめで、これにより全体的に解答スピードを速めることができます。

本番で緊張して思うように手が動かなかったり、難問が出て時間配分が崩れてしまったとしても、元々の解答スピードが速ければ何の問題もないので有意義です。

なお、特に理科や社会には十分な勉強時間を確保できないこともあるでしょうが、試験直前まで諦めず、できるだけ知識を詰め込んだ状態で臨むように心がけましょう。

準備が万全でなかったとしても、一点でも多くもぎ取ろうという姿勢が、合格を後押ししてくれます。

共通テストに向けた対策のポイント

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2021年から導入される大学入学共通テストは、センター試験と比較して出題傾向が大きく変化することが予想されています。

そのため、どのように対策して良いかわからないという方もいるでしょう。

この記事では共通テスト対策の大まかなポイントから各教科についての具体的な対策法まで、詳しく解説するので参考にしてください。

情報収集を怠らない

2021年1月12日現在、共通テストの過去問はまだないこともあり、情報収集をいかに入念に行うかということが重要になります。

試行調査(プレテスト)や学校の先生の話だけを頼りに、少ない情報で自分なりの勝手な解釈をして本番に臨むのは危険です。

大手予備校が発表している分析や中規模の塾が公開している動画・記事などを見て、出題傾向や対策法などを十分に研究するのが良いでしょう。

基礎的な学力を身に着ける

共通テストもセンター試験も、高等学校の生徒なら習得しておくべき基礎的な学力があるかどうかを測る試験であることは同じです。

そのため、読解力や語彙力、計算力をはじめとする基礎的な学力を身に付けることが、第一の対策だと言えます。

「一夜漬け」に代表される直前期の詰め込み学習をするのではなく、早期からじっくりと勉強して基礎を作っていかなければなりません。

そうすればどんな難問が出題されてもぐらつかないような土台がきっちり固まるでしょう。

記述・証明問題や実験問題への対策も

2021年の導入は見送られたものの、共通テストでは2024年以降の記述式の導入が検討されています

記述式では従来的な選択式の問題よりも、思考力や表現力が必要です。よって各教科で以下のような準備をしておくのが良いでしょう。

  • 国語:記述問題や教科書本文の要約にチャレンジする
  • 数学:解答プロセスを他人にもわかるような言葉で自分なりに説明(記述)してみる
  • 英語:自由英作文や英文の要約などに取り組む

また理科では実験データを深く考察するような問題も出題されるでしょうから、学校の授業で実験を行う機会は大切にしましょう

議論を通して多様なアプローチを学ぶ

試行調査では、色々な科目で問題の解釈や解答のアプローチを考える会話文に関する出題がなされました。

また数学では、一つの解法だけでなく、多様なアプローチで解くという新しい傾向の設問が登場しています。

以上より、共通テストに対応するには、解法に対する理解を深め、アプローチの引き出しもたくさん持っておかなくてはなりません。

そのため、友人と問題の解き方に関する議論をして、考え方やアプローチを共有するのが良いでしょう。

リスニングは配点が2倍になった分対策を

英語に関しては、センター試験ではリスニング50点・リーディング200点という配点だったのが、リスニング100点・リーディング100点という1:1の配点に変更されています。

そのため、共通テストに関しては、従来的なリーディング偏重の対策では対応できません。

リーディングと同様か、それ以上にリスニングを重視し、入念な対策を行う必要があります。

新傾向問題の対策を入念に

共通テストでは、思考力や判断力を要する新しい傾向の問題が出題されるようになると言われています。

実際、平成29年と平成30年に実施された試行調査(プレテスト)では、センター試験とは一線を画すような問題が出題されました。

各出版社はそれを受けて、新傾向問題を対策できるような問題集を出しているので、そうした教材を使って学習するのが良いでしょう。

数学と英語は過去問に触れない

数学と英語は、特に出題形式が大きく変更され、求められる能力も変わりました。

英語は先述した通りですが、数学に関しても、的確かつ素早い計算能力が主に求められたセンター試験に対し、共通テストでは思考力が重視されるようになると言われています。

そのため、数学と英語に関しては、センター試験の過去問はそれほど役に立たないでしょう。そればかりか、旧形式に慣れてしまうと、新しい形式に戸惑ってしまう可能性があるため、やらない方が良いとも言えます。

センター試験の過去問ではなく、後で紹介するような予想問題集や模試を使って対策する方が良いでしょう。

模擬試験を積極的に受験しよう

特に高校3年生や浪人生などの受験生は、共通テスト仕様の模擬試験を積極的に受験するのがおすすめです。

数学などは時間設定がタイトなので、時間配分の作戦を立てて、得点を最大化する練習をするのが良いでしょう。

なお、1年生や2年生に関しても、共通テストの出題傾向や問題形式、自身の苦手単元などを把握できるので、早期から模試を受けるのは有意義です。

河合塾や駿台の共通テスト模試がおすすめ

共通テスト対策におすすめの模擬試験は以下の3つです。

実施主体 年間の実施回数 実施月
駿台・ベネッセ大学入学共通テスト模試 駿台 2回 9月・11回
河合塾 全統共通テスト模試 河合塾 3回 5月・8月・10月
東進共通テスト本番レベル模試 東進 4回 2月・4月・8月・12月

これらの模試は大手予備校が主催していることもあり、学校単位で受験する高校も多いです。そのため、受験者数の規模も大きく、良い練習になるでしょう。

また各予備校が徹底的な分析を行った上で、共通テストの本番に近い良質な問題が出されるので、これら模試の偏差値や順位などは信憑性が高いです。

苦手な分野の割り出しにも活用できるでしょう。

弱点を集中的に攻略しよう

模擬試験を何度か受験していると、自分の失点パターンの傾向が見えてくるでしょう。例えば、「いつも計算ミスで失点している」や「特定の分野をいつも落としている」などです。

そうした傾向を分析すれば、自分の弱点がわかるので、それを克服するような対策をするのが良いでしょう。

ケアレスミスが多ければ、ミスの性質を把握して、それを見直す時間を多めに確保したり、苦手な分野を重点的に学習する時間を設けることなどがおすすめです。

予想問題で本番対策をしよう

共通テストの本番では、色々な不測の事態が起こる可能性があります。

  • 難しい問題が出て、時間配分が狂ってしまう
  • 新傾向の問題が上手く解けない
  • 緊張感で手が思うように動かない

このような事態に落ち着いて対処するためには、事前に予想問題でシミュレーションをよく行っておくのが良いでしょう。

実際の試験時間よりも短い時間設定にするなどの工夫もしながら、十分に「試験慣れ」をしておけば、本番で多少のトラブルがあっても冷静でいられるはずです。

共通テスト国語の対策勉強法

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ここから科目ごとの共通テスト対策について解説していきます。まずは国語です。

評論は複数テキストの読解対策をしよう

試行調査を踏まえると、共通テストでは評論・小説・古文・漢文の各大問で、複数の文章を読まされるようになる可能性が高いです。

センター試験では、1つの大問に1つの文章というのが一般的だったため、共通テストでは80分という制限時間の中でより多くの文章を読まなければなりません。

よって複数の文章を題材にした読解問題を解くなどして、情報処理のスピードを早めておくのが良いでしょう。

資料問題にも慣れておこう

共通テストでは、資料を読解して解答するという形式の問題も出題されます

資料には法律の条文や経済に関するグラフなど、社会問題を絡めたものが含まれている可能性もあります。

そのため、そうした資料を含む読解問題の演習も十分に積んでおくのが良いでしょう。資料が表すことを簡潔に要約したり、複数のデータを比較・分析するような訓練を積んでおかなくてはなりません。

小説は様々なジャンルに対応しよう

センター試験では、小説のパートで決まって物語文が出題されていましたが、共通テストでは随筆や詩を含めた幅広いジャンルの文章が出る可能性があります

実際、試行調査では和歌に関する対話に関する問題が出題されました。

この傾向への対策ですが、随筆に関しては、筆者が読者に伝えたいことが何のかを考えながら読む練習をするのが良いでしょう。

詩については、擬人法や体言止めなどの修辞法を勉強しておくべきです。

古文は和歌の読解練習をしよう

試行調査より、共通テストの古文では和歌の重要性が増すと言えるので、和歌の読解練習も十分にしておくのが良いでしょう。

和歌に線が引かれたような問題も出題されるはずなので、和歌をきちんと訳せるようになっておくことが大切です。

また和歌に関する問題を解く際は、和歌とそれ以外の本文の関係を考えながら解き進めましょう

漢文は句法や訓読に慣れて

漢文に関しては、センター試験とそれほど変わらないと言えるでしょう。

無論、複数の文章を読まされたり、対話に関する問題が出題されるようなことはあるでしょうが、訓読文の書き下しや句法に関する知識が問われるということは変わりません。

そのため、これまでのセンター試験対策と同様、訓読文の書き下しに関する練習問題を解いたり、句法を暗記するなどの勉強が有効です。

共通テストの国語の対策法について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にして見てください。

共通テスト数学の対策勉強法

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続いては数学の共通テスト対策について解説します。

計算より定理の証明を重視して勉強しよう

従来までは、ミスなく素早い計算ができるかが重視されており、公式の運用能力さえ高ければ、高得点を取ることができました。

一方で共通テストでは、基礎的な定理や定義、それらの導出プロセスの深い理解も必要です。

そのため、計算練習だけでなく、基本的な公式を導出する練習もしておきましょう。何も見なくても自分で定理や定義を導けるようになれば、「導出系」の問題が出ても、高得点が狙えるはずです。

日常的な話題を切り口にした問題に慣れよう

共通テストの数学では、測量や渋滞、天秤など、日常的な話題を切り口に数学的に考えることの良さを味わえるような問題が出題されます。これが共通テスト・数学の「新傾向問題」です。

こうした問題に対応するには、授業で習う各単元の知識がどのような分野に応用されているのが考えたり、日常的な事象を数学的なモデルに落とし込むことを試みたりするのが良いでしょう。

会話文から情報収集し方針を立てる練習をしよう

センター試験では、公式を機械的に当てはめたり、決まり切った計算パターンを使えば解けるような問題が大半でした。

しかし、日常生活の問題を数学的思考によって解決するような出題もなされる共通テストでは、それまでしたことがないような仕方で公式を応用していくようなこともしなくてはなりません

よって共通テスト仕様の問題をたくさん解いて、アプローチの仕方に慣れておくのが良いでしょう。

その際には、どのように公式を当てはめるかや、どうすれば知っている例題のパターンに落とし込めるかなどを考えながら解くようにするのがおすすめです。

別解探究や他人の証明方法を参考に

試行調査の出題形式を見ると、1つの問題や証明に対して、多角的なアプローチを考案・実践できるかが重視されていると言えます。

そのため、余裕があれば、友達と自分の回答を比べてみて、各回答の良し悪しや理想的な回答などについてディスカッションするのが良いでしょう。

そうすれば、解法に関する理解を深められ、また試験で使える方法のバリエーションも増やせるので、良い共通テスト対策になります。

試験時間は10分増えたがスピーディーに解く練習を

共通テストでは、数学IAの試験時間がセンター試験より10分増えて70分となりました。

しかし、時間が増えたからといって、時間内に解き切るのが難しいというセンター試験時代の傾向が変わったわけではありません

そのため、素早い計算処理能力と大学入試に特化した実践的な判断能力を身に付ける必要があります。

わかる問題はできるだけスピーディに処理し、難しくて解けない問題は「捨て問」と判断して後回しにするなど、本番に適した情報処理を演習を通して練習するのが良いでしょう。

そのような練習は一朝一夕でなせるものではないので、詰め込み式の勉強をするのではなく、早期からコツコツ努力を積み重ねるべきです。

共通テストの数学の対策法についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にして見てください。

共通テスト英語の対策勉強法

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ここからは英語の共通テスト対策について解説していきます。

ブログなどの実用的な文章に慣れよう

共通テストの英語では、より実用的な文章の読解を求められるようになる可能性が高いです。例えば、ブログや新聞、ウェブサイト、手紙などの英文が出ることが考えられます。

従来的な論説文であれば、論理構成がしっかりとしているので、接続詞に注目しながら因果関係を辿っていけば、比較的読解は簡単です。

しかし、上記のような実用的な文章に関しては、そこまで論理構成がきちんとしていない場合があります

そのため、文章を入念に精読し、筆者が伝えたいテーマは何であるかということに注意しないと読みこなせません。

事実と意見を区別して読めるように

大問2では、ディベートなどを題材に、展開されている内容が事実か意見かを見極めるといった問題が出題されます。

そのため、事実と意見の違いがわかるようになっておかなければなりません。

ちなみに事実か意見かを見極めるために有用なマーカーは形容詞です。文章に主観的な形容詞が含まれていたら意見だと判断しましょう。

例えば、「good」や「wonderful」などが好例です。「素晴らしい」と感じるかどうかは人によって異なるので、こうした形容詞があれば意見だと判断できます。

リーディングが長文読解だけになることに注意

センター試験では長文読解問題の前に、発音・アクセントや文法、整序英作の大問がありましたが、共通テストではそれらがなくなります。

6つの大問の全てが長文読解になるので注意しましょう。無論、文法や発音などの知識が必要なくなるわけではありませんが、問題演習では長文読解をメインに行うのがおすすめです。

またセンター試験の過去問の文法問題を解くのも無駄とは言えませんが、効率性を考えるなら予想問題を中心に対策するのが良いでしょう。

1回読みのリスニングに注意

センター試験のリスニングでは英文が2回繰り返し読まれていましたが、共通テストのリスニングでは1回しか読まれなくなります

そのため、1回聞いただけで解答に必要な情報を的確にキャッチしなければなりません。

しかし、何の準備もなしに英文を正確に聞き取るのは難しいので、先に問題の選択肢を読んでおくのが良いでしょう。

例えば、選択肢が「場所を示す表現」だった場合は、場所に関する情報に注目して音声を聞けば良いわけです。

生きた英語を聞いて耳を慣らそう

共通テストのリスニングでは、日常会話や駅のアナウンス、ブログなど、より実際的なコミュニケーションに関する出題がされる可能性が高いです。

そのため、海外ドラマや映画を見るなどして、「生きた英語」に慣れるというのは、良い対策になるでしょう。

ただし、ドラマや映画を視聴するのは時間がかかるので、効率性を重視するのであればリスニングの問題集を使って会話表現を覚える方がおすすめです。

また教科書の文章と音声を活用して、シャードーイングを行うのも有意義だと言えます。

共通テストの英語の対策については、以下の記事を参考にしてください。

共通テスト理科の対策勉強法

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続いては理科の共通テスト対策についてです。科目ごとに勉強法を解説していきます。

化学

共通テストでは選択制の大問がなくなり、全員が同じ5つの大問に解答します。

またより思考力を要するような出題がなされるようになる可能性が高いです。

例えば、従来までは高分子化合物に関する単純な知識問題が出題されていたようなところでも、共通テストなら高分子化合物をテーマに有機化学と理論化学の範囲を横断したような複雑な問題が出されるでしょう。

加えて一般の学生には馴染みのないような物質や理論に関する説明を読ませ、それらについて考察させるような出題がなされることも予想されます。

そのような大問では、提示されたデータを分析して、共通点を見つけたり、特性を推論させたりする設問が出されるでしょう。

その過程で量的関係を考察させられることもあるでしょうし、教科書の「発展事項」や「参考」に載っている知識も応用して結論を出さないといけないようなケースもあるはずです。

以上より、共通テストの化学を攻略するには、教科書レベルの確かな知識と問題を解くスキルが必要になると言えるでしょう。

化学基礎でも扱う理論化学はともかう、無機化学と有機化学は学習が十分でない方も多いはずなので、しっかり基本事項を暗記できるように努力してください。

大方のことを暗記できたら、その後は問題演習をひたすらこなして知識を定着させ、解法テクニックを体得しましょう。

物理

共通テストの物理では、物理の全範囲から4つの大問が出題されます。選択制の大問はありません。

試行調査では、宇宙船からの物体落下や万年筆の先から出た光とレンズの関係など、より現実的な事象を題材にした問題が多く出題されました

そうした出題に対応するには、問題の設定を十分に理解した上で、グラフなどの実験データに関する情報を整理して考える力が必要です。

なお、本文とキーワードだけで答えると誤答を選んでしまうような引っ掛け問題も出題されるようになっていたので、リード文もよく読解し、そこの情報も加味した上で答えなければなりません

ちなみに試行調査で出題された小問を寄せ集めたような大問1は、著しく正答率が低かったので、共通テスト本番ではこの形式は採用されず、センター試験のような形式に戻ると言われています。

生物

共通テストの生物も選択制の大問がなくなり、5、6題の大問が必答になります。

試行調査では、センター試験よりも大問の数が減ったにもかかわらず、問題文の分量が増えたため、時間内に解き切れない受験者が続出しました。

そのため、共通テスト本番の問題文の分量は、センター試験よりは増えるでしょうが、試行調査よりは若干減るでしょう。

なお、生物に関しても部分的に拾い読みすると引っかかるような出題があるので、基本的には本文全体に目を通すのがおすすめです。

また共通テストでは、基礎知識とともに読解力や思考力も試すような実験考察問題が多数出題されると言われています。

そのため、ただ用語の名前を暗記するのではなく、その意味や活用方法なども深く理解しておく必要があります。

地学

地学に関しても選択問題がなくなり、必答の大問が5題出題されます。

地学は理科の中でセンター試験からの変化が最も少ない科目と言われていますが、連動性のある設問群や完答しか正解にならない問題も出題されるので注意しましょう。

なお、試行調査では会話文や研究資料から、地学現象を様々な観点で考察するような問題が数多く出題されました。そのため、攻略するには基本的な知識に加えて思考力が必要です。

ただし、試行調査では細かい知識を問うような出題はあまりなかったので、難易度としてはセンター試験よりも多少難化する程度でしょう。

またセンター試験に比べると、地質調査などを題材にした観察・実験に関する問題が増加するようなので、そうした問題の対策に力を入れるのもおすすめです。

理科基礎

理科基礎では物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎の中から2つを選択しますが、短期間で対策を済ませたい人には地学基礎をおすすめします。

地学基礎には、中学生で習う理科の知識で解けるような問題も含まれているので、他の3科目に比べると点数が取りやすいでしょう。

ただし、志望大学によって地学基礎を選択できない場合もあるので、事前に志望大学の情報をよく確認しておくべきです。

またもう1科目に関しては、以下のような基準で選ぶのが良いでしょう。

  • 計算や数学全般が得意→物理基礎
  • 暗記が得意→生物基礎
  • 計算も暗記もそこそこ得意→化学基礎

暗記と多少の計算練習で対策できるので、文系の学生には生物基礎と化学基礎の組み合わせもおすすめできます。

共通テスト社会の対策勉強法

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まずは社会の科目選択の仕方について解説しますが、短期間の学習で6〜7割の点数を狙うなら、地理や現代社会がおすすめです。

一方でしっかり勉強時間を確保でき、尚且つ90点以上を目指すなら、世界史や日本史が良いでしょう。

また読解力や思考力、時事的な話題に自信があるなら、倫理、政治・経済を選択するのも有意義です。

以下では各科目の勉強法を解説します。

日本史B

試行調査では、史料問題(写真や絵画、グラフ、統計表、年表、地図などを扱う問題)がセンター試験よりも大幅に増加していたので、共通テストでも多数出題されると考えられます。

よって教科書に掲載されている史料には、きちんと目を通しておくべきです。なお、教科書に載っていないような史料に関しては、注釈が付いているはずなので、焦らず冷静に対応しましょう。

また複数の文章を読解しなければならない問題も出されており、従来以上の解答時間を要することが予想されます。

そのため、問題演習を十分に行い、素早く解答していく術を身に付けておくべきです。練習の際は解答時間を「60分→40分」などに短くして解くのも良いでしょう。

なお、日本史のような暗記科目は、インプット重視の勉強をする受験生が多いですが、ある程度の基本知識を覚えたら、どんどん問題演習をこなしていくべきです。

問題を解いた方が、知識を使うので定着しやすくなりますし、大学入試に必要な知識だけを補充していけるので効率的だと言えます。

世界史B

試行調査では、単純に用語を問うのではなく、背景知識や歴史の流れ、因果関係などを問う問題が増加しました。

また日本史同様、写真や絵画、グラフなどを扱う史料問題も大幅に増えています。よって共通テストでもその傾向が踏襲されるでしょう。

さらに共通テストでは同時代的な知識(特定の世紀における国際関係など)に関する問題が複数出されると予想されます。

そのため、「タテ」の流れ(時系列の中の前後関係)だけでなく、「ヨコ」の流れもしっかり押さえておくのが良いでしょう。

なお、ヨコの流れを押さえるには各国の位置関係を把握しておいた方が良いので、地図帳を積極的に活用するのもおすすめです。

加えて世界史に関しても、日本史同様に、基本的な事柄をある程度覚えたら、問題演習をたくさんこなしていくことを推奨します。

地理B

試行調査によると、地理は問題の構成が若干変化します。大問は5題に減少し、設問の数も30〜32程度に減るでしょう。

出題傾向としては、資料の読解問題が多数出題されると予想されます。

そのため、問題演習をたくさんこなすべきなのですが、データに関する問題はデータ自体の鮮度も重要です。あまり古い問題だとデータが現在とは全く異なる場合も多く、あまり参考になりません。

よってセンター試験を含む大学入試問題の過去問を解くのは、過去5年分程度にとどめ、他は共通テストの予想問題をやり込むのが良いでしょう。

なお、センター試験の傾向を踏襲するなら、少なくとも1問は超難問が出題されるはずです。しかし、それを解けなくても全く問題はないので、落ち着いて他の標準的な問題にきちんと正解しましょう。

倫理・政治経済

倫理に関しては、源流思想(ギリシア哲学、キリスト教、仏教など)や日本思想、西洋近現代思想などを中心に扱います。青年期の自己形成や現代社会の特質などを含む、幅広い分野の中から出題がなされます。

主に思想の理解が試されるので、問題演習の際や試験本番では、「誰の思想(もしくはどの宗教)を説明しているのか」を常に意識しながら問題を解くのが良いでしょう。

政治・経済に関しては、国際政治を含む政治分野と、国民生活の諸問題や国際経済を含む経済分野から総合的な出題がなされるので、こちらも幅広い範囲の勉強が必要です。

出題傾向としては、統計資料から特徴的な変化を読み取ったり、歴史的な出来事を年代順に並び替えさせるような出題が予想されます。

またある出来事を題材に、それが起こった国に関する問題が出題されることもあるでしょう。

加えて時事的な知識を問う出題もあるので、近年の政治的・経済的イベントも押さえておくべきです。

現代社会

試行調査では、アダム・スミスの『国富論』や最高裁の判決文を題材にした出題がありました。

そのため、共通テストでは単純な一問一答や資料問題ではなく、「現代社会」の知識をより実際的に活用して解かせるような問題が出題されると予想されます。

なお、現代の社会情勢に関する問題が多く出題されるため、こちらも情報の鮮度には注意すべきです。

問題が古ければ、総理大臣の名前や法律の子細が異なる場合があるので、センター試験の過去問演習は3年分程度にとどめ、予想問題をメインに演習するのが良いでしょう。

また思想史や地域紛争などは、苦手とする受験生が多い分野なので、特に力を入れて対策するのがおすすめです。

共通テスト対策におすすめの予想問題集

試験直前期には、以下のような予想問題集を使って、実践的な演習で得点力を磨くのが良いでしょう。

2021年度 共通テスト問題研究シリーズ

共通テスト問題研究 数学I・A/II・B (2021年版共通テスト赤本シリーズ)
1078円
共通テスト問題研究 数学I・A/II・B (2021年版共通テスト赤本シリーズ)
1078円

「赤本」と呼ばれる人気シリーズです。共通テスト試行調査とセンター試験過去問が収録されており、英語と数学IA/IIB、国語にはオリジナル実戦模試も収録されています。

各科目で十分な演習量を確保することができ、オリジナル問題の質も高いと評判なのでおすすめです。

またマークシート解答用紙も付属しているので、試験直前期に本番のシミュレーションをするのにも向いています。

科目ごとのバラ売りなので、苦手科目を重点的に対策したいという方にも良いでしょう。

2021年用 共通テスト 予想問題パック

2021年用共通テスト予想問題パック
1375円
2021年用共通テスト予想問題パック
1375円

試行調査の形式や傾向を分析した上で作成されたZ会オリジナル問題が収録された6教科17科目(物理基礎、地学なし)の模擬試験のパックです。

本番仕様の問題冊子とマークシート解答用紙が入っており、試験直前に全教科を通しでシミュレーションしたいという方におすすめできます。

また自己採点の結果をZ会の学習診断サイトに入力すれば、ライバルとの点差やZ会の想定平均点、直前対策のアドバイスなどが見られるサービスもあるので魅力的です。

なお、英語のリスニング音声は、Webからダウンロードもしくはストリーミングして利用します。

ちなみに2021年の予想問題のパックは「Z会のクオリティが一番だ」と評価する声も多いので、パックに迷ったらこれを選んでおくのが良いでしょう。

2021共通テスト対策問題パック

2021共通テスト対策問題パック (河合塾シリーズ)
1370円
2021共通テスト対策問題パック (河合塾シリーズ)
1370円

上記と同じような予想問題のパックです。6教科19科目に関する河合塾の予想問題が収録されています。

問題冊子とマークシートが付属しており、自己採点表もあるので、こちらも試験直前に通しでシミュレーションをしたい場合におすすめです。

わかりやすい解説も付いているので、十分に復習すれば、知識の完成度をより一層高めることができるでしょう。

なお、英語のリスニング音声に関しては、付属のCDで聞くことができます。

また今回紹介する予想問題パックのうち、全科目の問題が収録されているのはこの河合塾の対策問題パックだけです。そのため、特に地学や物理基礎を選択する方には良いでしょう。

青パック 共通テスト実戦パッケージ問題

大学入学共通テスト実戦パッケージ問題 2021青パック (大学入試完全対策シリーズ)
1320円
大学入学共通テスト実戦パッケージ問題 2021青パック (大学入試完全対策シリーズ)
1320円

駿台の予想問題パックです。河合塾の対策問題パックと内容はほぼ同じで、6教科18科目(地学なし)のオリジナル問題が収録されており、マークシート解答冊子や自己採点集計用紙なども付属しています。

こちらも英語のリスニング音声は付属のCDで聞く形式です。

Z会や河合塾の予想問題パックに加えて、通しでのシミュレーションの機会を増やしたい方にはおすすめできます。

大学入学共通テストの対策まとめ

大学入学共通テストの対策まとめ

  • 共通テスト対策は11月からで間に合う
  • 過去問よりも予想問題の方がおすすめ
  • 苦手分野をしっかり勉強すべき
  • パックを利用して対策するのも良い

東大生である筆者が、大学入学共通テストの対策について解説しました。

共通テストは出題内容や問題形式などの点で、センター試験とは大きく異なるので、情報収集や新傾向問題の対策をしっかりするべきです。

また新傾向問題のことを考えても、問題演習には過去問よりも予想問題を活用するのが良いでしょう。

また、共通テストの対策を本格的に行うは11月ころからで十分間に合います。

以上を参考に、是非とも共通テスト対策を成功させてください。