大学入試共通テスト英語の対策法は?出題傾向や勉強のコツ・スケジュールまで徹底解説!
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「共通テストの英語ってどうやって勉強すればいいの?」
「共通テストの英語の出題傾向が知りたい!」
このように思っている受験生の方は多いのではないでしょうか。
共通テストは初めて実施されるため、情報を収集したくてもどのようにしたらよいかわかりにくいのが難点です。
そこで、今回は共通テストの英語科目についての勉強法や出題傾向について解説します。
共通テストのプレテストとして実施されてきた試行調査の問題の分析から想定される、共通テストの問題の内容や勉強方法について、詳しくご紹介します。
共通テストに不安を覚えている方も、ぜひ今回ご紹介する内容を参考に勉強に取り組み、共通テストでよい点を取りましょう!
共通テストの英語対策についてざっくり説明すると
- 大学入試センター試験と比べ、共通テストは難易度が高くなる
- 試行調査の結果から大問それぞれの出題傾向、配点などが予想できる
- 思考力・判断力などさまざまな力をつけて対策しよう
共通テスト英語試験の概要
まずはじめに、共通テスト英語試験の概要を解説していきます。
共通テスト英語試験の概観
共通テスト英語試験とは、大学入試センター試験の英語科目に代わって実施される、英語の学力を測る試験です。
共通テストの英語試験は、多くの国公立大学や私立大学が合否の判断基準として用いるため、受験生のほとんどが受験する一大試験です。
共通テストはマークシート方式で行われますが、今後数年以内に記述式の導入も検討されています。
また、テストの性質にも変更があります。これまで、センター試験の英語試験では、リスニングとリーディングの2技能を測っていました。
しかし、共通テストの英語試験では、スピーキング・ライティング・リスニング・リーディングの4技能を重視するテストになります。
ただし、4技能を実践的に測定する試験については、今年度からの導入は先送りされ、今年度はリスニングとリーディングのみ測定することになっています。
また、共通テストの英語科目では、今後は共通テストを受ける代わりにTOEIC・IELTSなどの民間試験を導入することも考えられています。
問題形式と傾向
共通テスト英語試験の問題形式はマークシート方式です。
配点は、リーディング・リスニング共に100点満点で、試験時間はリーディング80分、リスニング30分です。
問題構成は、リーディング・リスニング共に大問6問の構成になっています。
また、試行調査の結果から、共通テスト英語試験では、どの分野でも「ただの暗記では答えられない問題」が出る可能性が高いと言えます。
次に、予想される各大問の内容を詳しくご紹介します。
配点と大問の構成
大問1つあたりの配点と解答数について、試行調査をもとに予想したものをお伝えします。
<第2回試行調査リーディングの結果より>
大問 | 特徴 | 1問あたりの配点 | 解答数 | 配点 |
---|---|---|---|---|
第1問 | メモや告知記事の読解 | 2 | 5 | 10 |
第2問 | イラスト/写真を含む文の理解 | 2 | 10 | 20 |
第3問 | 平易な物語文章の読解 | 2 | 5 | 10 |
第4問 | 短い記事・レポートの読解 | 3〜4 | 6 | 16 |
第5問 | 物語の読解 | 5 | 8 | 20 |
第6問 | 記事やレポートの読解 | 3 | 9 | 24 |
<第2回試行調査リスニングの結果より>
大問 | 特徴 | 1問あたりの配点 | 解答数 | 配点 | 放送回数 |
---|---|---|---|---|---|
第1問 | 短い発話 と話者の意図などの把握 | 3〜4 | 7 | 24 | 2 |
第2問 | 複数人による短い対話と情報の把握 | 3 | 4 | 12 | 2 |
第3問 | 複数人による短い対話と概要・要点の把握 | 4 | 4 | 16 | 2 |
第4問 | エピソードと時系列の整理など | 1〜4 | 9 | 12 | 1 |
第5問 | 講義内容の理解 | 4 | 9 | 20 | 1 |
第6問 | ディスカッションの理解 | 4 | 4 | 16 | 1 |
このように、各問題によってテーマが異なり、配点や解答数も違いますので注意しましょう。
センター試験の過去問を解いたことがある方は「センター試験と随分違う」と感じるかもしれません。
共通テストでは、センター試験からの変更点が多々あります。
具体的にどのような点が変更されるのか、次のトピックで詳しく解説していきます。
センター試験との違い(リーディング編)
ここでは、センター試験と共通テストの違いを説明します。
リーディングにおけるセンター試験と共通テストの違いは
- 発音・アクセント問題がない
- 文法問題がなくなる可能性がある
- 問題文も英文
- 語彙数の増加
- 実用的な文章が増える
という点です。
それぞれ、どのようなことに気を付けて勉強していけばよいのか解説していきます。
発音・アクセント問題が無い
共通テストの英語試験では「発音・アクセント問題」がなくなります。
しかし、だからといって油断は禁物だと言えます。発音やアクセントについての知識は、リスニングを攻略する上では必要不可欠です。
これまでと同様に、単語を覚える際に発音・アクセントも合わせて覚え、勉強を怠らないようにしましょう。
文法問題が無くなる可能性アリ
試行調査の結果から、共通テストでは文法問題がなくなる可能性があります。
しかし、だからといって文法の勉強をしなくてもよいわけではありません。
文法ができないと、長文読解の際に英文構造の解析ができなくなり、結果として問題が解けなくなります。
そのため、共通テストで文法問題が出題されないとしても、文法の勉強はしておく必要があるのです。
文法の問題集を解き、文法の知識も定着させていきましょう。
問題文も英文
センター試験では、問題文が日本語で書かれていました。
しかし、共通テスト英語の試験では、問題文も英文である可能性が高くなっています。
そのため、まずは問題文を理解する英語力が必要になります。
また、問題文の読み間違いがないように気を付けましょう。
語彙数の増加
共通テストの英語科目では、問題を解くのに必要な語彙数が増加されます。
リーディングでは、単語数が約4200語から約5400語にアップすると見られます。
また、リスニングでは、1分間に読みあげられる単語数が、120語から140語にアップする見込みです。
そのため、今まで以上に単語を勉強する時間を増やす必要があります。
実用的な文章が増える
共通テスト英語の問題では、実用的な文章が増える可能性が高いです。
実用的な文章とは、例えばブログや新聞などの記事です。
論説文のような文章は、接続詞を用いて因果関係が明確に示されます。
しかし、実用的な文章では、次に続く文章との関係性が明確ではない可能性もあります。
そのため、文章を精読して、筆者が伝えたいテーマは何なのか考えながら読む力が必要です。
センター試験との違い(リスニング編)
共通テストのリスニングで、センター試験から変更されるのは以下の4つです。
- 問題の読み上げは1回読みと2回読みの2つのタイプがある
- 実際のコミュニケーションを意識している
- アメリカ英語以外の話者が登場することも
- 図表・イラスト問題が増える
この4つの変更点があることにより、全体として難易度が高くなっています。
リスニングは英文1回読み
共通テスト英語でのリスニング問題では、英文は1回だけ読まれる問題と2回読まれる問題があります。
そのため、問題によっては、1回聴いただけで解答に必要な情報を把握しなければなりません。
1回で必要な情報を聴き取るには、先に問題の選択肢を確認しておくのがよいでしょう。
例えば、問題の選択肢が場所を表しているものである場合、リスニングを聴くときには、場所の表現に注意して聴けば正解がわかりやすくなります。
リスニングの問題集でたくさん問題を解くことによって、先に必要な情報を把握する練習をしていきましょう。
実際のコミュニケーションを意識している
リスニング試験では、実際のコミュニケーションを意識し、ブログや日常会話、駅でのアナウンスなどの問題が出る可能性もあります。
このように、実際のコミュニケーションで使われる英語表現が出題されると考えておいた方がよいでしょう。
そのため、日ごろから海外ドラマや映画などを観て「生きた英語」に慣れておくと、本番でも英語を聴き取れる可能性が高いです。
しかし、ドラマや映画で英語を学ぼうとすると時間がかかってしまいます。
時間がとれない人は、リスニングの問題集に載っている会話表現を覚えておくことが効果的です。
アメリカ英語以外の話者が登場することも
リスニングの試験では、アメリカ英語以外の英語が読まれる可能性があります。
しかし、音声がアメリカ英語ではなくとも、イントネーションなどが多少違うだけであり問題を解く際に支障は出ません。
音に慣れておけば心配はいらないでしょう。
図表・イラスト問題が増える
リスニングの試験では、図表・イラストが増える可能性があります。
図表・イラスト問題は、文章での問題よりも必要な情報を読み取るの際に時間がかかってしまうのが難しい点です。
そのため、共通テストでは短時間で正確に情報を読み取るスキルが求められます。
予想問題集で図表・イラスト問題を多く解き、情報を素早く読み取るスキルを養いましょう。
全体として難易度は高くなる
ここまで述べたことからわかるように、共通テストはセンター試験と比べて「思考力」「判断力」が必要になります。
そのため、共通テスト英語の難易度は高くなると言えます。
国公立大学を志望する人は、これまでよりも難易度が高い試験を受け、合格のボーダーラインを超える点数を取らなければなりません。
共通テストは、国公立大学を志望する人にとってハードルが高い試験になると言えます。
共通テストのリスニング対策についてさらに詳しく知りたいという方は以下の記事も参考にしてみてください。
大学入試共通テスト英語勉強法(基礎編)
共通テストの英語は、基礎的な力をバランスよくチェックするテストです。
例えば、リーディングなら単語力・文法力・精読力、リスニングなら音声知覚力、発音に関する知識などです。
そのため、小手先のテクニックだけがあっても、共通テストの問題は解けません。
高校1〜2年生のうちから、このような力を養うための根本的な勉強が必要になります。
そこで、このトピックでは、共通テスト英語で高得点を取るための基礎的な英語の勉強法を、時系列に沿ってご紹介します。
語彙力をつけよう
まずは語彙力を付けることが大切です。
語彙力を身に付けなければ、リーディングでもリスニングでも、思うような点数は取りにくくなります。
例えば、リーディングでは単語を知っていないと正しく問題文が読めなかったり、選択肢の文がどのような意味なのかわからなかったりします。
また、リスニングでは、単語がわかっていないとそもそも読まれている会話の内容が理解できず、問題が解けません。
このような事態を避けるために語彙力を付ける必要があります。
語彙力を付けるためには、共通テストに対応した単語帳を使って勉強しましょう。
類義語も覚えよう
共通テスト英語で複数の選択肢から正解を選ぶ問題では、本文の内容が類義語を使って言い換えられていることが多いです。
そのため、単語を覚える際には類義語もまとめて覚えると本番で解答しやすくなります。
文法も大切
単語だけでなく、文法もしっかり覚えるようにしましょう。
共通テストの英語では、文法問題は出題されない可能性が高いです。
しかし、文法が理解できていないと、英文を読んだり聴いたりしたときに正確に訳すことができません。
結果として、文章や会話表現全体の内容が理解できなかったり、内容を誤解してしまったりします。
並び替え問題などを解いて文法の知識をインプットし、文章をスムーズに読めるようにしましょう。
精読力を磨こう
リーディングでは、スピードよりも正確さを大事にしましょう。
精読とは、文章の主語や述語を特定するなど、文の構造を正確に理解する作業です。
単語は覚えていても精読ができていない場合、長文を正確に読めない可能性があるため注意が必要です。
例えば、共通テスト英語の試験では、4択の選択肢の中に本文の該当箇所とは主語が違うものがあります。
精読ができておらず文章の主語を理解していないと、このような引っ掛け問題で間違ってしまい、高得点を狙えなくなってしまいます。
精読をするためには、普段から英文を訳すときに「主語に対応する述語はどこか」を確認することが必要です。
また、長文読解の問題集などに載っている英文をきちんと訳せているかどうか、模範解答の訳と比べてみることもおすすめです。
思考力・判断力をつける
共通テストの英語では、思考力・判断力も必要です。
思考力・判断力を身に付けるためには「答えを選ぶ際に根拠を持って解答できているか」を確認する習慣を付けるとよいでしょう。
参考書や問題集で問題を解いたあとには、模範解答を読み、自分が考えた根拠と模範解答の根拠が合っているか確認しましょう。
速読力を武器にして
共通テストの英語では、速読できることも大切です。
各予備校によると、共通テストの問題はセンター試験よりも語彙数が増えると言われています。
しかし、共通テストの制限時間はリーディング80分、リスニング60分であり、センター試験と変わりません。
そのため、共通テストではセンター試験よりも限られた時間内でより多くの情報を処理しなければならなくなります。
そのために必要になるのが速読力です。速読ができるようになれば、解答スピードを落とさずに問題を解くことが可能になります。
速読力を付けるためには、単語・文法などの基礎知識をしっかり覚えることや、精読ができるようになることが重要です。
また、速読力と同時に、単語・文法などの基礎知識を覚えたり、精読力を身に付けたりすると、問題を解く際にわからない部分がなくなるというメリットもあります。
日常表現を理解出来るように
共通テストの英語では、身近な話題が問題になる可能性が高いです。
そのため、日常会話でよく使われる表現は押さえておきましょう。
文法問題集に載っている会話表現やリスニング問題集を使い、日常的な英語の表現に慣れておくと、問題がスムーズに解きやすくなります。
このトピックでご紹介してきた勉強法はリーディング・リスニングどちらにも効果的ですので、ぜひ実践してみてください。
大問別共通テストリーディングの対策方法
先に述べたように、共通テストの英語ではリーディング・リスニング各大問の内容が予想されています。
そこで、ここからはまずリーディングの各大問での対策法をご紹介します。
【前提】答え探しに消去法はNG
まず、リーディングの前提として消去法で解答することはNGです。
共通テスト英語の問題では、正解となる選択肢が一つとは限りません。
正解がわからないからといって、消去法で選択肢を一つだけ選ぶことはやめましょう。
答えを選ぶときには、自信を持って正解だと言えるものを探す必要があります。
【大問1】図表から情報を読み取ろう
共通テスト英語試験のリーディング大問1では「日常生活に関する日常的な広告・パンフレット・予定表などから必要な情報を読み取る問題」が出題されます。
必要な情報を読み取るには、問題文を解く前に設問文を確認し、「この問題では何を聞かれているのか」を特定することが重要です。
そうすることによって、問題文を読む際に解答に関わる箇所をじっくり読むことができるため、正答率を上げることができます。
【大問2】形容詞に注意
リーディング試験の大問2では、形容詞に注目しましょう。
大問2は「事実なのか意見なのか」を答えさせる問題です。
「事実なのか意見なのか」を見分けるにはどうすればよいのでしょうか。
事実と意見を見分けるには、形容詞に注意することが役に立ちます。
なぜかというと、主観的な形容詞が用いられている部分は意見の部分だからです。
例えば「good」「wonderful」は「素晴らしい」という意味ですが、人によって素晴らしいと思うかは違いますので、事実ではなく意見ということになります。
このように、大問2では、形容詞の持つ意味によって、事実を述べているのか意見を述べているのかを考えながら聴き取りをしていきましょう。
【大問3】感情表現や時系列に注意
大問3は「日常生活における個人の体験談を読んで、要旨を把握する」という問題です。設問の解答箇所は複数箇所にわたります。
そのため、問題を読む際には各段落に出てくる感情表現に注意し、「この段落で言いたいことは何なのか」を把握するとスムーズに解答できます。
また時系列を問われる可能性も高いです。
10years ago」など時の流れを示す表現が出てきたら、下線を引くなどしてチェックをしておくようにしてください。
その都度チェックしておくことによって、解答の際にいちいち時系列の表現を探す必要がなく、スムーズに解答できます。
【大問4】グラフの情報に注目しよう
大問4では「複数の記事、レポート、資料などを読み、それぞれの書き手の意見の共通点と相違点を識別する問題」が出題される可能性が高いです。
そのため、グラフなどの資料から、正確に情報を読み取れるようにしておきましょう。
また、問題では「2つのものの変化や差」も聞かれやすいと想定されます。
コツとしては「increase by」や「gap」など、差や変化を表す表現が出てきたらチェックするようにしましょう。
【大問5】文章全体の趣旨を抑えよう
大問5では「ある登場人物に関連した伝記や物語を読み、その文章の趣旨が何であるのかを答えさせる」問題が出題されます。
そのため、日ごろから文章全体の趣旨を押さえられるようにしておきましょう。
大問5の設問文は、これまでの問題とは違い「設問文の答えに相当するものが本文中にない」抽象度の高い問題です。
「5W1H」や「時の表現」、「登場人物の気持ち」などに注意して総合的に解答する必要があります。
要約もおすすめ
文章全体の趣旨を押さえるためには、問題の文章を要約することもおすすめです。
普段から問題を解いたあとに文章の要約をしておくと要約に慣れることができます。
「要約力」は共通テスト以外にも私大・国公立大の入試試験を解く際にも使えるため、ぜひ身に付けておきましょう。
【大問6】ディスコース・マーカーに注意
大問6では「社会的な話題や身の回りに関する資料・レポートを通して、要約問題や各パラグラフの役割やテーマ」を答える問題が出題されます。
各パラグラフのテーマを理解するのには「ディスコースマーカー」を頼りにするとよいでしょう。
「ディスコースマーカー」とは、文章の論理展開を明らかにする語のことを言います。
例えば「But」はディスコースマーカーです。「But」以降では前の文章と逆説の関係の文章になるため「But」が使われます。
このように、文章の論理がどのように展開されているか、一文ずつ考えながら読み進めていきましょう。
大問別共通テストリスニングの対策方法
ここからは、大問ごとのリスニング対策法をご紹介します。
弱形を抑えよう
まず、どの問題を解く上でも大切なのが、弱形を意識することです。
弱形とは、文章中で弱く発音される単語のことです。
例えば「have to」という熟語は、toが弱くなるため実際には「ハフトゥー」ではなく「ハフタ」に近い発音になります。
しかし、それを知らないとリスニングが聴き取りにくくなります。
このように、弱形を意識しながらリスニングの問題をこなしていき、弱形に慣れていきましょう。
なお、リスニングの問題集を選ぶときには
- リスニングの音声が聴き取りやすい
- 音声がアプリでダウンロードできる
この2点の特徴があるかどうかを参考にするとよいでしょう。
【大問1】言い換えに注意
大問1は「1人の人物による短い発話を聴いて、発話のテーマを答える問題」です。
テーマは、本文中に直接的には書かれていない可能性が高いです。
テーマは言い換え表現を用いて表されていることが多いため、大問1では言い換え表現に注意していきましょう。
例えば「明日のパーティーに行きたいけど、仕事がたくさんある」という表現は「忙しいため、パーティーに行けない」と読み取ることができます。
正解の選択肢は、そのような言い換え表現で書かれている可能性が高いため、選択肢を読むときには注意しましょう。
【大問2】イラストを先読みしよう
大問2は「男女による短い会話を、場面情報やイラストを参考にしながら聴き、必要な情報を把握する」問題です。
そのため「場面情報を先読みして、聴き取るポイントを予想することが大切です。
先読みしておくことにより、会話で特に注意しなければならないポイントを注意深く聴くことができます。
【大問3】集中して聴こう
大問3は「男女による長めの会話の要旨を把握する」問題です。
そのため、長めの文章に耐える集中力が必要になります。
集中力をつけるためには、リスニング音声が始まる前に、解答の選択肢を把握しておくことが大切です。
あらかじめ選択肢の内容を把握しておくことで、聴くべきポイントだけを注目して聴くことができます。特に「場面設定」に注目して聴きましょう。
【大問4】メモをして聴こう
大問4は「一人の人物による長めの発話を聴いて、発話の内容を把握する」問題です。
長めの会話であるため、リスニング音声が始まる前に問題を先読みし、問題で聞かれそうな部分はメモをしておくとよいでしょう。
特に、数字を答える問題では、細かい単位まで覚えている必要があるため、メモは有効です。
【大問4】条件を把握しておこう
大問4では「4人の人物による会話を聴き、条件・状況に基づいて比べ、判断する問題」が出題されます。
試行調査では「大学の寮を探している」という状況で「4人の人物の部屋を選ぶ条件」が何なのかを答える問題が出ました。
このような問題では、会話を聴きながら条件に合わない選択肢を消していくと問題が解きやすくなります。
【大問5】ワークシートを活用しよう
大問5では「長めの講義を聴いて、その要旨をつかめているか聞く」問題が出題されます。
問題では、ワークシートの内容にそって講義が放送されます。
そのため、問題が読まれる前にワークシートの内容からキーワードになりそうなものを把握しておきましょう。
あらかじめキーワードがわかっていれば、長めの講義文でも緩急を付けて聴くことができます。
【大問6】二項対立を意識しよう
大問6では「男女による長めの会話文を聴いて、男女それぞれの会話の概要を掴む」問題が出されます。
あるテーマに対し一方が賛成派の場合、他方は反対派の立場で会話が進んでいきます。
そのため、二項対立を意識しながら問題を解いていきましょう。
具体的には「一方が賛成の立場を取っている」のがわかれば、次に来る意見は逆のことを言っていると理解でき、先読みできます。
このような考え方で解くと解答がスムーズです。
高1・高2年生向け共通テスト英語対策法
ここからは、共通テストの高1・高2年生向け勉強法をご紹介していきます。
中学英語から復習する
高1・高2で共通テスト対策をする場合、中学英語から復習することもおすすめできます。
共通テストの出題範囲は「高校までの学習範囲」です。
しかし、共通テストを受験する人の中には、英語が苦手で中学英語が怪しい人もいるのではないでしょうか
英語に苦手意識を持っている人は、まず英語の基礎固めをするために、中学英語を基礎から学べる参考書を勉強しましょう。
授業をしっかり聞こう
高1・高2は授業の内容をしっかり聴きましょう。
共通テストの出題範囲は高校までの教科書の内容です。
そのため、授業の内容やそれに類する内容が共通テストに出題されると言えます。
教科書の内容でわからないところがあったら、すぐ先生に質問しましょう。
また、問題演習をして間違ったところはその箇所にふせんやマーカーなどでチェックしておきましょう。
そして、模試や試験前にはその部分を見返すようにすると、効率よく勉強できるためおすすめです。
解答のプロセスを大切に
授業で先生から解説を聴く際には、解答のプロセスを大切にしましょう。
具体的には「どういう理由でこの解答を選んだのか」について根拠を持つことが必要になります。
勉強で大切なのは「ただ正解できたかどうか」ではなく「正しい考え方で正解できたか」です。
「正しい考え方で正解できたか」は、思考力をより重視する共通テストを受ける際に大切な考え方です。
そのため、共通テスト対策の問題を解くときには、自分が正解した問題も「正しい理由で解答できていたか」を確認するとよいでしょう。
高3におすすめ・共通テスト英語の勉強計画
ここからは共通テストの英語について「高校3年生で特にやってほしい勉強計画の立て方」をご紹介していきます。
まずは問題演習から
まずは問題演習をしていきましょう。高3になると授業の内容はだいたい理解しているため、復習が必要な人は少ないのではないでしょうか。
そのため、試験勉強では授業の復習をするよりも問題演習に重点を置いていくことがおすすめです。
問題演習を重ねることにより、試験の形式に慣れていくことができます。
試験の形式に慣れることは、本番になってから焦らないために大切なことです。
入試の過去問を解き終わったら、問題集で演習をこなしていきましょう。
模試を受験しよう
高3は模試を受験することも重要です。
共通テストの内容に対応した模試を受験することで、共通テスト本番での目標点と現在の点数のギャップを客観視でき、効率よく勉強することができます。
また、本番と同じタイムスケジュールで試験を受けることにより、普段の勉強では味わいにくい緊張感を味わうことができます。
夏頃から共通テスト対策用の模試が増えていくるため、共通テストの勉強は夏から始めていきましょう。
秋以降の模試はコツを抑えて活用
共通テストの模擬試験は、本番が近づく秋以降1回1回が大切になります。
その中で、模擬試験を受験する前に
- 時間配分を決める
- 絶対に落とさない大問を決める
この2つが、模擬試験を受験する効果を最大化するためのコツです。
時間配分を決めることで、全ての問題に手を付けることができ、結果的に得意分野と不得意分野がわかります。
また、時間配分がうまく行ったかを振り返ることで、本番で上手くいく時間配分を見つけることも可能です。
さらに「絶対落とさない大問」を決めることで、何から始めたらよいかわからない模擬試験の勉強もやりやすくなります。
試行調査を解こう
センター試験の過去問や実践問題数を解く前に、試行調査の問題を解いてみましょう。
試行調査の問題は、大学入試センターが全高校生に向けて制作した共通テストのプレテストです。
試行調査の問題の問題内容や問題形式は、本番の試験をイメージした試験なのです。
共通テスト対策の模擬試験が増える空き前に、試行調査の問題を2回分は解いておきましょう。
試行調査の問題は大学入試センターのHPからも手に入れることができます。
センター試験の過去問に挑戦しよう
共通テストの勉強方法としては、試行調査の問題だけではなく、センター試験の過去問を解くこともおすすめです。
試行調査の問題で傾向を押さえたあとセンター試験の過去問を解き、問題に慣れていくと、効果的な勉強ができます。
センター試験と共通テストでは内容に変更があります。
しかし、論説文が出ること、センター試験で問われた文法事項が、共通テストでは長文やリスニングの中で問われるという共通点もあります。
そのため、センター試験の過去問は共通テスト対策にも効果的なのです。
センター試験の過去問は、高校の学習範囲が終了する夏くらいから勉強していきましょう。
センター試験ができなくて不安を抱える人へ
この記事を読んでいる方は、共通テスト受験直前の受験生も多いのではないでしょうか。
そんな受験生の中には「センター試験の英語の過去問を解いてみたけれど解けない」とお悩みの方もいるかもしれません。
しかし、センター試験と共通テストの形式には大きな違いがあります。
センター試験の過去問で点数が取れなくても、共通テスト本番でもそれくらいしか取れないわけではないので、落ち込む必要はありません。
「センター試験の過去問で100点が取れなかったから、共通テストでも100点を切ってしまう」と自分を責めないようにしましょう。
センター試験の過去問でできなかったところをしっかり克服し、共通テストの予想問題集や模擬試験にチャレンジしてください。
共通テスト対策なら通信教育・予備校の活用がおすすめ
英語の共通テスト対策には、通信教育や予備校を有効活用することをおすすめします。
共通テストで鬼門となる膨大な長文の効果的な処理方法など、各社とも試験を徹底分析した上で、試験に必須の能力を伝授してくれます。
また、試験中の時間配分など、1人では意識しづらい実践的なテクニックも併せて指導してもらえるので、本番の得点力アップに高い効果を発揮します。
以下の記事では、通信教育各社の特徴について詳しく解説しているので、こちらも併せてご覧ください。
共通テスト対策におすすめの人気参考書・問題集
ここでは、共通テスト対策におすすめの参考書・問題集をご紹介します。
大学入学共通テスト 英語[リーディング]の点数が面白いほどとれる本
価格 | 著者名 | 出版社名 | ページ数 |
---|---|---|---|
1,540円 | 竹岡 広信 | KADOKAWA | 504ページ |
『大学入学共通テスト 英語[リーディング]の点数が面白いほどとれる本』は、リーディングの問題を解く際のコツや、実際の問題の解き方を教えてくれます。
センター試験と試行調査の問題を徹底分析し、良問だけを収録した参考書です。
共通テストでは、図・表から情報を読み取る問題や、文章のおおまかな意味を掴む問題が出題されます。
この参考書では、センター試験と試行調査の問題から、そのような共通テストで重要となる問題を厳選して収録しています。
そのため、十分共通テスト対策として使える参考書なのです。
2021年用共通テスト実戦模試(1)英語リーディング
価格 | 著者名 | 出版社名 | ページ数 |
---|---|---|---|
1,430円 | Z会編集部 | Z会 | 392ページ |
『2021年用共通テスト実戦模試(1)英語リーディング』では、リーディング対策に特化したZ会オリジナル模試を6回分解くことができます。
オリジナル模試は、試行調査の問題を分析した結果導き出された共通テストの出題傾向に沿って作られており、共通テスト対策として非常に効果的です。
また、平成30年度の試行調査の問題も載っているため、この一冊で共通テストの傾向を掴むことができます。
実践問題に取り組めば問題の理解を深めていくことも可能です。
大学入学共通テスト 英語[リスニング]予想問題集
価格 | 著者名 | 出版社名 | ページ数 |
---|---|---|---|
1,320円 | 谷川学 | KADOKAWA | 272ページ |
『大学入学共通テスト 英語[リスニング]予想問題集』は、試行調査の内容を踏まえたリスニングの問題を解くことができます。
オリジナルの予想問題2回分と、試行調査2回分が掲載されおり、それぞれに解説が付いています。
試行調査の講評、共通テストの試験対策法などの解説も充実しており、問題演習だけではなく、共通テストの対策法を身に付けるにもよい一冊です。
また、音声のダウンロードもできるため、隙間時間にも勉強しやすい問題集です。
短期攻略 大学入学共通テスト 英語リスニング (駿台受験シリーズ)
価格 | 著者名 | 出版社名 | ページ数 |
---|---|---|---|
1,320円 | 刀祢 雅彦 (編さん) | 駿台文庫 | 150ページ |
『短期攻略 大学入学共通テスト 英語リスニング』は、共通テストの内容を考慮した問題形式になっています。
4回分の問題で効率よく勉強できるため、共通テストの勉強にあまり時間をかけられない人にもおすすめです。
また、この問題集は共通テストの情報を収集したい方にも向いています。
共通テストの傾向、対策法、リスニング問題を解くために必要な知識など、共通テストを攻略するための情報が掲載されています。
巻末に、会話で役立つ表現や、位置を表す表現など、リスニング問題の聴き取りに役立つ語彙がまとめられているのも特徴です。
共通テストの英語対策についてまとめ
共通テストの英語対策についてまとめ
- リーディングでは、図・表・グラフから情報を読み取る問題などの対策が必要
- リスニングでは、英語の文章は1回しか流れないため、音声が流れる前に設問の内容を先読みしよう
- 高3になったら、秋ごろから共通テスト模試を活用しよう
共通テストは初めて行われるものですが、試行調査の結果からおおよその出題傾向が想定されています。
試行調査の問題を大学入試センターのHPなどから入手し、実際に解いてどのような問題が出るのか把握しましょう。
共通テスト対策は、高3の夏頃から本格的に始めるとよいでしょう。
具体的な対策としては、問題集を解いたり模擬試験を受けたりして出題傾向を掴み、問題に慣れてくことが大切です。
また、センター試験と共通テストでは変更点が多々あります。
しかし、センター試験の過去問を解くことで得られる英語力は共通テストを解くことにも役立ちますので、センター試験の過去問も解くことをおすすめします。